【登録販売者の勉強方法】主な医薬品とその作用【テキスト第3章8限目】
この記事では登録販売者試験の勉強方法について書いています。独学用です。3章の8回目です。登録販売者試験の第3章「主な医薬品とその作用」の覚え方、学習のポイントについて書いています。第3章のポイント・要約を教えて欲しい、そんな疑問にお答えします。
侑(Yuu)
この記事を読んでわかる事(記事の内容)
・殺虫剤・忌避剤のポイント要約
・一般用検査薬のポイント要約
・尿糖・尿タンパク検査薬のポイント要約
・妊娠検査薬のポイント要約
この記事を読めば、誰でも登録販売者試験の第3章を簡単に理解し、合格点に到達する可能性を高めらられることを目的にしています。
この記事の信頼性
■【消毒薬・きず口等の殺菌消毒成分】
・感染症は、病原性のある細菌、寄生虫やウイルスなどが体に侵入することによって起こる望ましくない反応 ・夏:細菌による食中毒、冬:ウイルスによる食中毒←が発生することが多い ・殺菌・消毒=生存する微生物の数を減らす、滅菌=物質中の全ての微生物を殺滅または除去すること ・手指・皮膚の殺菌・消毒を目的とする消毒剤…医薬部外品あり、器具等の殺菌・消毒を併せて目的とする製品…医薬品のみ 皮膚用殺菌消毒成分・器具用消毒薬一覧表
名称 | 特徴 | 細菌 | 真菌 | 結核菌 | ウイルス | 主な使用場所 |
アクリノール | ・黄色、刺激性低 | 〇 | × | × | × | 皮膚 |
オキシドール | ・活性酸素による参加等 ・持続性、浸透性なし |
〇 | × | × | × | 皮膚 |
マーキュロクロム | ・有機水銀の一種 ・ヨードチンキと× |
〇 | × | × | × | 皮膚 |
ヨウ素系殺菌消毒成分
ポピドンヨード ヨードチンキ |
・酸化作用、アルカリ性×
ポピドンヨード:ヨウ素+PVP、水溶性 ヨードチンキ:ヨウ素+エタノール、皮膚刺激 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 皮膚 |
~ニウム塩化物 | ・石けん× | 〇 | 〇 | × | × | 皮膚 |
クロムヘキシジングルコン酸塩 | 〇 | 〇 | × | × | 皮膚、器具 | |
クレゾール石鹸
ポリアルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル |
・クレゾール石鹸液は原液直接× | 〇 | 〇 | 〇 | × | 皮膚、器具 |
エタノール
イソプロパノール |
・イソプロパノールではウイルスに対する不活性効果はエタノールよりも低くなる
・粘膜刺激性 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 皮膚、器具 |
【塩素系殺菌消毒成分】
次亜塩素酸ナトリウム サラシ粉 |
・強い酸化力、皮膚刺激性(人体の消毒×)
・金属腐食性 ・酸性のものと混合× |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 器具のみ |
【有機塩素系】
ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム トリクロロイソシアヌル酸 |
・塩素臭、刺激性が比較的抑えられている
・プール等大型設備の殺菌消毒 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 器具のみ |
・誤用、事故等による中毒への対応
基本的に応急処置の後は、すみやかに医療機関に受診するなどの対応が必要
①誤って飲み込んだ場合
⇒通常は多量の牛乳を飲ませるが、手元に何もないときはまず水を飲ませる※無理に吐かせようとしない
②誤って目に入った場合
⇒流水で十分に(15分以上)洗眼※酸をアルカリで中和したり、アルカリを酸で中和するといった措置は、熱を発生して刺激をかえって強め、状態が悪化する恐れがあるため適切ではない
③誤って皮膚に付着した場合
⇒石鹸を用いて、流水で皮膚を十分に(15分以上)水洗する
④誤って吸入した場合
⇒意識がない場合は新鮮な空気のところへ運び出し、人工呼吸などをする
■【殺虫剤・忌避剤】
・「医薬部外品(人体に対する作用が緩和)」と「医薬品」がある
<衛生害虫の種類と防除>
・衛生害虫:病気を媒介したり、物を汚染するなどして、保険衛生上の害を及ぼす昆虫等※外的から身を守るために人体に危害を与えることがあるものは衛生害虫に含まれない。例、ハチ、サソリ
害虫 | ハエ | 蚊 |
媒介 | 赤痢菌、チフス菌、コレラ菌、O-157大腸菌等の病原菌や皮膚疾患、赤痢アメーバ、ポリオウイルスなど様々な病原体 | 日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱 |
防除方法・特徴 | ・基本はウジの防除→有機リン系殺虫成分が配合された殺虫剤を用いる | ボウフラが成虫にならなければ保健衛生上の有害性はない→羽化するまでに防除すればよい |
害虫 | ゴキブリ | シラミ(ヒトに寄生するシラミ) |
媒介 | ・食品にサルモネラ菌、ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、ボツリヌス菌、O-157大腸菌等を媒介 ・アメーバ赤痢等の中間宿主 |
日本紅斑熱
リケッチアの媒介(発疹チフス等の病原細菌) |
防除方法・特徴 | ・燻蒸処理を行う場合、ゴキブリの卵は医薬品の成分が浸透しない殻で覆われている為、殺虫効果を示さない→3週間後位に、もう一度燻蒸処理を行い、孵化した幼虫を駆除する必要がある | ・散髪などの物理的方法 ・医薬品による方法 →殺虫成分としてフェノトリンが配合されたシャンプーやてんか粉が使用※フェノトリンは痒み止め等作用なし |
害虫 | トコジラミ ・カメムシ目の昆虫(シラミの一種ではない) ・ナンキンムシとも呼ばれる |
ノミ |
媒介 | ペスト、再起熱、発疹チフスを媒介することもある | ペスト等の病原細菌 |
症状 | 刺されると激しい発疹を生じる | |
防除方法・特徴 | ・トコジラミは床や壁の隙間、壁紙の裏、畳の合わせ目、ペット等に潜伏する ・防除には、ハエ、蚊、ゴキブリと同様な殺虫剤が使用される ・体長が比較的大きい(成虫で約8㎜)ので電気掃除機で隅々まで丁寧に吸引することによる駆除も可能 |
犬や猫などに寄生しているノミに対して、ノミ取りシャンプーや忌避剤などが用いられる |
害虫 | イエダニ | ツツガムシ(ダニの一種) |
媒介 | 発疹熱などのリケッチア、ペスト | ツツガムシ病リケッチア |
症状 | 激しい痒み(吸血による刺咬) | |
防除方法・特徴 | ・ネズミを宿主として移動し生息場所を広げる ・宿主動物であるネズミを駆除することが重要 |
・吸血はしない ・専ら忌避剤による対応 ・山などの野外活動時は露出避ける |
害虫 | 屋内塵性ダニ(ツメダニ類、ヒョウダニ類、ケナガコナダニ類) | |
駆除方法・特徴 | ・一定程度まで生息数を抑えれば保健衛生上の害は生じないので、増殖させないことを基本に防除が行われることが重要
・殺虫剤の使用はダニが大量発生した場合のみ |
<主な有効成分>
種類 | 成分 | 備考 |
有機リン系殺虫成分 | ジクロルポス
ダイアジノン フェニトロチオン フェンチオン トリクロルホン クロルピリホスメチル プロペタンホス |
・殺菌作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合してその働きを阻害することによる
・高濃度または多量に曝露した場合には、神経の異常な興奮が起こり、縮瞳、呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れた場合は直ちに受診 |
ピレスロイド系殺虫成分 | ペルメトリン
フェノトリン フタルスリン |
・防虫菊の成分から開発された成分 ・フェノトリンは殺虫成分で唯一人体に直接適用される ・殺虫作用は、神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害することによるもので、高濃度又は多量に曝露して身体に異常が現れた場合には受診 |
カーバメイト系殺虫成分
オキサジアゾール系殺虫成分 |
プロボクスル(カーバメイト系)
メトキサジアゾン |
・いずれも有機リン系殺虫成分と同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示す ・有機リン系殺虫成分と異なり、アセチルコリンエステラーゼとの結合は可逆的で、ピレスロイド系殺虫成分に抵抗性を示す害虫の駆除に用いられる |
有機塩素系殺虫成分(DDT等) | オルトジクロロベンゼン | ・我が国ではかって広く使用され、感染症の撲滅に大きな効果を上げてきたが、残留性や体内蓄積性の問題から現在ではオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除の目的で使用されているのみ |
昆虫成長阻害成分 | メトプレン
ピリプロキシフェン ジフルベンズロン |
・殺虫作用ではなく、昆虫の脱皮や変態を阻害する作用を有する成分で、有機リン系殺虫成分やピレスロイド系殺虫成分に対して抵抗性を示す場合にも効果がある |
その他の成分 | ピペニルプトキサイト(PBO)
チオシアノ酢酸イソボニル ディート |
①殺虫補助成分:それ自体の殺虫作用は弱いまたはほとんどないが、殺虫成分とともに配合されることにより殺虫効果を高める成分 ②忌避成分(虫よけ)※6ヶ月未満使用不可 |
<主な剤形、用法>
スプレー剤 | 医薬品を空間中に噴霧 |
燻蒸剤 | 空間噴射の殺虫剤にうち、一度に全量放出させるもの |
毒餌剤(誘引殺虫成分) | 殺虫成分とともに、対象とする衛生害虫(主にゴキブリ)を誘引する |
霧散剤 | 加熱したときまたは常温で徐々に揮散する |
<殺虫剤を使用する際の一般的な留意事項>
・同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していく
→殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるため
■【一般用検査薬】
<一般用検査薬とは>
・専ら疾病の診断に使用されることが目的とされる医薬品のうち、人体に直接使用されることのないものを体外診断医薬品という
・体外診断医薬品の多くは医療用検査薬であるが、一般用検査薬については薬局又は医薬品の販売業(店舗販売業、配置販売業)において取り扱うことが認められている
・検査に用いる検体は、尿、糞便、鼻汁、唾液、涙液など採取に際して侵襲(採血等)のないもの
・悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に関係するものは一般用検査薬の対象外
<販売時の留意点・検出感度、偽陰性・擬陽性>
・以下の事項について、わかり易く説明する。
①専門的診断におきかわるものではないことをわかり易く説明する
②検査結果の判定についてわかり易く説明する など
・検出反応が起こるための最低限の濃度を検出感度(又は検出限界)という
・偽陰性とは→検体中に存在しているにもかかわらず、その濃度が検出感度以下であったり、検出反応を妨害する他の物質の影響等によって、検出結果が陰性となった場合
・擬陽性とは→検体中に存在していないにもかかわらず、検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって検査結果が陽性となった場合
・いかなる検査薬においても偽陰性・擬陽性を完全に排除することは困難
■【尿糖・尿タンパク検査薬】
・尿糖値に異常を生じる原因は、高血圧が多いが、腎性糖尿等のように高血糖を伴わない場合もある
・尿中のタンパク値の異常要因としては、腎臓機能障害、尿路異常等
採尿のタイミング
【尿糖】…原則として食後(2~3時間)の尿を検体とする
【尿タンパク】…原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動の直後は避ける
【尿糖・尿タンパク同時検査】…早朝尿(起床直後)の尿を検体⇒尿糖が検出された場合には、食後(2~3時間)の尿を再検査
・採尿の仕方
出始めの尿では、尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物が混在することがあるため、中間尿を採取して検査する
・検体の取扱い
なるべく排尿後、速やかに検査する
・検査薬の取扱い
尿糖または尿タンパクを検出する部分を直接手で触れない。長い間尿に浸さない
・食事等の影響
通常、尿は弱酸性であるが、食後その他の影響で中性~弱アルカリ性に傾くと、正確な検査結果が得られなくなる事がある
■【妊娠検査薬】
・妊娠の早期判定の補助として尿中のhCGの有無を調べるもの(hCG=ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)
・検査の結果をもって直ちに妊娠しているか否かを判断するものではない
・妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度を検出感度としている
・検査の時期:月経予定日を過ぎて、概ね1週目以降
・採尿のタイミング:早朝尿(起床直後の尿)
・注意点
・採尿後は速やかに検査する
・経口避妊薬や更年期障害治療薬などのホルモン剤を使用している人では、妊娠していなくても尿中のhCGが検出されたり、閉経期に入っている人も、検査結果が擬陽性となることがある
・異常妊娠の場合(子宮外妊娠など)、疑陰性になることがある
■【まとめ:第3章「消毒薬・殺菌消毒成分、殺虫剤・忌避剤、一般用検査薬、尿糖・尿タンパク検査薬、妊娠検査薬」(8限目)】
勉強ポイントのまとめです。
・クレゾール石鹸のみ3つに菌に効果あり。
・殺虫剤の有効成分、有機リン酸系成分は語尾が「ボス・ホス・ノン・オン・ホン・チル」で暗記
・殺虫剤の有効成分、昆虫成長阻害成分は語尾が「レン・フェン・ロン」で覚える
3章のポイント要約記事はこれで終了です。やはり3章はボリュームたっぷりです。その分、出題数も40問と通常の章の倍です。3章さえマスターすれば試験の合格の可能性は格段に上がります。3章の学習は試験合格の山です。間違いないです。
参考:厚生労働省「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」より