【登録販売者の勉強方法】人体の働きと医薬品【テキスト第2章5限目】
この記事は登録販売者試験の勉強方法について書いています。独学用です。2章の5回目です。登録販売者試験の第2章「人体の働きと医薬品」の覚え方、学習のポイントについて書いています。第2章のポイント・要約を教えて欲しい、そんな疑問にお答えします。
侑(Yuu)
この記事を読んでわかる事(記事の内容)
・精神神経系に現れる副作用
・体の局所に現れる副作用
この記事を読めば、誰でも登録販売者試験の第2章を簡単に理解し、合格点に到達する可能性を高めらられることを目的にしています。
この記事の信頼性
私は4ヶ月の登録販売者の勉強で2ブロックの試験に一発で合格しました。
受験したのは平成29年2017年です。受験ブロックは近畿エリアと東海エリアです。
▼近畿ブロックと東海ブロックの合格通知書です。
少しでも多くの人の、登録販売者試験合格の参考になれば幸いです。
できるだけ、簡潔に覚えやすいように短文で記事をかいています。
ではよろしくお願いします。
■【全身的に現れる副作用】
<副作用>
・副作用とは?⇒医薬品を適正に使用した場合でも発現する有害かつ意図しない反応のこと
<ショック(アナフィラキシー)>
どんな症状? | ・生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種 ・顔や上半身の紅潮・発熱、皮膚の痛み、蕁麻疹、口唇や舌・手足のしびれ感、むくみ(浮腫)、吐気、顔面蒼白、手足の冷感、冷や汗、息苦しさ、胸苦しさなど |
発生頻度は? | ・原因物質によって異なる→以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い |
病状の進行は? | ・進行が非常に速い(通常2時間以内に急変) ・一旦発症すると病態は急速に悪化することが多く、適切な対応が遅れるとチアノーゼや呼吸困難等を生じ、致命的な転帰をたどることも |
その他 | ・アナフィラキシー様症状 →初めて使用した医薬品で起こる場合など、その原因がアレルギーかどうかはっきりしない時の呼び名。ショック同様の症状が現れる |
<重篤な皮膚粘膜障害>
(a)皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群=SJS)
どんな症状? | 38℃以上の発熱を伴って、発疹・発赤・火傷様の水泡等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、限等の粘膜に現れる病態 →発生機序の詳細は不明で、発症の予測は極めて困難 |
発生頻度は? | 人口100万人当たり年間1~6人 |
その他 | スティーブン・ジョンソン症候群(SJS)とも呼ばれる |
(b)中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群=TEN)
どんな症状? | ・38℃以上の高熱を伴って、広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水泡、皮膚の剥離、びらん等が認められ、かつ、口唇の発赤・びらん、眼の充血等の症状を伴う病態 →発生機序の詳細は不明で、発症の予測は困難 |
発生頻度は? | 人口100万人当たり0.4~1.2人 |
その他 | ・ライエル症候群(TEN)とも呼ばれる ・TENの症例の多くがSJSの進展型とみられる |
◎SJSとTENの共通点
・一旦発症すると多臓器障害の合併症により致命的な転帰をたどることがある
・両眼に現れる急性結膜炎は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期または半日~1日程度先行して生じることが知られている→SJSまたはTENの前兆である可能性を疑うことが重要
・原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多い。1ヶ月以上経ってから起こることもある
<肝機能障害>
・中毒性…有効成分またはその代謝物の直接的肝毒性が原因
・アレルギー性…有効成分に対する抗原抗体反応が原因
どんな症状? | ・全身の倦怠感、黄疸、発熱、発疹、皮膚の搔痒(ソウヨウ)感、吐気等 ・黄疸…ビリルピン(黄色色素)が胆汁中へ排出されず、血液中に滞留し、皮膚や白目が黄色くなる病態。肺の色が濃くなることもある。 |
特徴 | ・自覚症状がなく、健康診断等の血液検査で初めて判明することが多い |
その他 | ・原因となる医薬品の使用を中止し、受診 ・使用し続けると、不可逆的な病変(肝不全)を生じ、死に至ることもある。 |
<偽アルドステロン症>
・体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、カリウムが失われることによって生じる病態(副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらず生じる)
どんな症状? | ・手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、こむら返り、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ(浮腫)、のどの渇き、吐気、嘔吐等 →進行すると、筋力低下、起立不能、歩行困難、痙攣等も生じる |
発症リスクの高い人は? | ・小柄な人や高齢者で生じやすい |
その他 | ・原因医薬品の長期服用後に初めて発症する場合もある ・複数の医薬品や医薬品と食品との間の相互作用によって起きることもある 関連医薬品…カンゾウ・グリチルリチン酸 |
<その他>
・病気等に対する抵抗力の低下等
・医薬品の使用が原因で血液中の白血球(好中菌)が減少し、細菌やウイルスの感染に対する抵抗力が弱くなり、突然の高熱、悪寒、喉の痛み、口内炎、倦怠感などの症状が出ることも
・血小板減少症
■【精神神経系に現れる副作用】
<精神神経障害>
どんな症状? | ・物事に集中できない、落ち着きがなくなる、不眠、不安、震え(震戦)、興奮、眠気、うつ病 |
その他 | ・医薬品の大量服用・長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適切な使用がなされた場合に限らず、通常の用法・適用でも発生することがある |
<無菌性髄膜炎>
髄膜炎のうち、髄液に細菌・真菌が検出されないもの
どんな症状? | ・首筋のつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐気、嘔吐、意識混濁等 ・大部分はウイルスが原因だが、マイコプラズマ感染症やライム病、医薬品の副作用等によって生じることもある |
病状の進行は? | ・急性 |
発生リスクの高い人は? | ・医薬品の副作用が原因の場合、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、関節リウマチ等の基礎疾患がある人で発症リスクが高い |
その他 | ・早期に原因医薬品の使用を中止すれば、速やかに回復し、予後は比較的良好→重篤な中枢神経系の後遺症が残った事例もある ・過去に軽度の症状を経験した人の場合、再度同じ医薬品を使用することにより再発し、急激に症状が進行する場合がある |
<その他>
・心臓や血菅に作用する医薬品による頭痛、めまい、浮動感、不安定感等が生じることがある。
・医薬品の長期連用、過量服用などの不適切な使用による倦怠感や虚脱感を生じることがある
■【体の局所に現れる副作用】
<消化器系に現れる副作用>
(a)消化性潰瘍
医薬品の作用により、胃や十二指腸の粘膜組織が傷害されて、その一部が粘膜筋板を超えて欠損する状態
どんな症状? | ・胃もたれ、食欲低下、胸やけ、吐き気、胃痛、空腹時にみぞおちが痛くなる、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなど ・自覚症状が乏しく、貧血症状の検査時や突然の吐血、下血によって発見されることがある |
(b)イレウス様症状(腸閉塞様症状)
イレウスとは腸内容物の通過が阻害された状態
どんな症状? | ・腸管自体は閉塞していなくても、医薬品の作用によって腸管運動が麻痺して腸内容物の通過が妨げられると、激しい腹痛やガス排出(おなら)の停止、嘔吐、腹部膨張感を伴う著しい便秘が現れる ・腹痛などの症状のために水分や食物の摂取が抑制され、嘔吐がない場合でも脱水症状となることがある ・悪化すると腸内容物の逆流による嘔吐が原因で脱水症状に |
発症リスクの高い人は? | ・小児、高齢者、普段から便秘傾向のある人 |
(C)その他
・医薬品の消化器に対する影響→吐き気、嘔吐、食欲不振、腹部不快感、腹部膨張感、腹痛、口内炎など
・一過性の軽い症状→口喝、便秘、軟便、下痢など
・浣腸剤や坐剤の使用による一過性の症状→肛門部の熱感刺激、不快感、排便直後の立ちくらみなど
<呼吸器系に現れる副作用>
(a)間質性肺炎
間質(肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織)が炎症を起こしたもの。※通常の肺炎(気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたもの)とは異なる
どんな症状? | ・肺胞と毛細血菅の間のガス交換効率が低下して血液に酸素を十分取り込むことができず、体内は低酸素状態になる→息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳、発熱等の症状 ・一般的に医薬品の使用開始から1~2週間程度で起きることが多い ・必ずしも発熱は伴わない ・症状が一過性に現れ、自然と回復することもあるが、悪化すると肺線維症に移行することもある |
その他 | ・かぜや気管支炎の症状と区別が難しい |
(b)喘息(ゼンソク)
どんな症状? | ・原因となる医薬品を使用して短時間(1時間以内)で、鼻水、鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴、呼吸困難を生じて次第に悪化する。 ・顔面の紅潮、目の充血、吐き気、腹痛、下痢等を伴うこともある。※喘鳴…息をするとき喉がゼーゼー又はヒューヒュー鳴る |
発症リスクの高い人は? | ・通年性(非アレルギー性)の鼻炎、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、鼻茸(鼻ポリープ)等の鼻の疾患が合併している人 ・成人になってから喘息を発症した人 ・季節に関係なく喘息発作が起こる人 ・特にこれまでに医薬品で喘息発作を起こしたことがある人は重篤化しやすい |
その他 | ・合併症を起こさない限り、原因となった医薬品の有効成分が体内から消失すれば症状は寛解する ・内服薬のほか、坐剤、外用薬でも誘発されることがある |
<環境器系に現れる副作用>
(a)鬱血性心不全、不整脈
どんな症状? | ・鬱血性心不全:全身が必要とする量の血液を心臓から送り出すことが出来なくなり、肺に血液が貯留して、種々の症状を示す疾患 ・息切れ、疲れやすい、足のむくみ、急な体重の増加、咳とピンク色の痰など・不整脈:心筋の自動性や興奮伝導の異常が原因で心臓の拍動リズムが乱れる病態 ・めまい、立ちくらみ、全身のだるさ(疲労感)、動悸、息切れ、胸部の不快感、脈の欠落等 →不整脈の種類によっては失神することもある →AEDの使用を考慮 |
その他 | ・代謝機能の低下によって発症するリスクが高まる →腎機能、肝機能の低下、併用薬との相互作用などに留意するべき →特に高齢者においては配慮が必要 |
(b)その他
・高血圧や心臓病等、循環器系疾患の診断を受けている人は、心臓や血菅に悪影響を及ぼす可能性が高い医薬品を使用してはならない
・使用しようとする人の状態等に応じて使用の可否を慎重に判断すべき医薬品は、使用上の注意の「相談すること」の項で注意喚起がなされている
<泌尿器系に現れる副作用>
(a)腎障害
どんな症状? | ・尿量の減少、ほとんど尿が出ない、一時的な尿量増加、むくみ(浮腫)、倦怠感、発疹、吐き気、嘔吐、発熱、尿の濁り、血尿等 |
その他 | ・外国から個人的に輸入した医薬品(生薬、漢方)、それらと類似する健康食品の摂取により重篤な腎障害を生じた事例あり |
(b)排尿困難、尿閉
どうやって起こるの? | ・副交感神経系の機能を制御する作用がある成分の医薬品を使用→膀胱排尿筋の収縮が抑制 |
どんな症状? | ・排尿時に尿が出にくい、残尿感等 ・尿閉(尿意があるのに尿が全く出ない)、下腹部が膨満して激しい痛みを感じる |
その他 | ・前立腺肥大等の基礎疾患がない人でも現れることがある ・男性に限らず女性においても報告される |
(c)膀胱炎様症状
どんな症状? | ・尿の回数が増加(頻尿)、排尿時の疼痛、残尿感等 |
<感覚器系に現れる副作用>
(a)眼圧上昇
原因 | ・眼球内の角膜と水晶体の間を満たしている眼房水が排出されにくくなると、眼圧が上昇して視覚障害を生じることがある 例)抗コリン作用がある成分が配合された医薬品の使用が原因で眼圧が上昇(急性緑内障発作) |
どんな症状? | ・眼痛、眼の充血と共に、急激な視力低下 ・眼圧の上昇に伴って、頭痛、吐き気・嘔吐等 ・高眼圧を長時間放置すると不可逆的な視覚障害(視野欠損や失明)に至るおそれ |
発症リスクの高い人は? | ・緑内障がある場合には注意が必要 |
(b)その他
・瞳の拡大(散瞳)による異常な眩しさや目のかすみ等→乗物や機械類の運転は避ける
<皮膚に現れる副作用>
(a)接触皮膚炎・光線過敏症
一般に「かぶれ」と呼ばれる日常的に経験する症状。外用薬の副作用で生じることもある
<接触皮膚炎>
どんな症状? | ・いわゆる「肌に合わない」という状態 |
特徴 | ・外来性の物質が皮膚に接触することで現れる炎症 ・医薬品が触れた皮膚の部分にのみ生じ、正常な皮膚との境界がはっきりしている※アレルギー性皮膚炎の場合、発症部位は接触部位に限定されない |
症状の進行は? | ・原因となった医薬品との接触がなくなれば、通常は1週間程度で症状は治まる→再びその医薬品と接触すると再発のおそれあり |
その他 |
<光線過敏症>
どんな症状? | ・太陽光線(紫外線)に曝されて初めて起こることがある |
特徴 | ・医薬品が触れた部分だけでなく全身へ広がって重篤化する場合がある ・貼付剤の場合は剥がした後でも発症することがある |
その他 | ・原因と考えられる医薬品の使用を中止して、皮膚に医薬品が残らないよう十分に患部を洗浄して、遮光して速やかに受診 |
(d)薬疹
どんな症状? | ・医薬品によって引き起こされるアレルギー反応の一種 ・発疹、発赤等の皮膚症状 ・あらゆる医薬品で起きる可能性あり、同じ医薬品でも生じる発疹の型は人によって様々 ・眼の充血、口唇、口腔粘膜の異常→発熱を伴う眼や口腔粘膜の異常は、急速に皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死融解症等の重篤な病態へ進行することもある |
発症リスクの高い人は? | ・アレルギー体質の人、以前に薬疹を起こしたことがある人 ・それまで薬疹を経験したことがない人であっても、暴飲暴食や肉体疲労が誘因となって現れることがある |
その他 | ・多くの場合、原因となる医薬品の使用を中止すれば、症状はしだいに寛解する ・医薬品の使用後1~2週間で起きることが多いが、長期使用後に現れることもある ・以前薬疹を経験したことがある人が再度同種の医薬品を使用→ショック、アナフィラキシー様症状、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症等のより重篤なアレルギー反応を生じるおそれ |
(c)その他
・外用薬の適正部位(幹部)に生じる副作用として、その他に含有される刺激性成分による痛み、灼熱感、熱感、乾燥感などの刺激感、腫れ等がある
■【まとめ:第2章「副作用」(5限目)】
第2章の「副作用」をまとめました。
「副作用」の学習ポイントと要点のまとめです。2章の5回目です。2章はこれで終了。2章は5回です。
この部分は登録販売者としてお客様に薬をおすすめするときに使う知識です。薬の販売にも直接役にたつ知識です。
2章勉強のキモです。 登録販売者の勉強の山のひとつです。試験にもよく出る範囲です。赤字は要確認、です。
参考:厚生労働省「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」より