【登録販売者独学勉強方法】ブログ小説第2話:離脱【もしドラッグでアルバイトしている女子高生が登録販売者を目指したら】
登録販売者の資格勉強の小説です。「もしドラッグストアでアルバイトしている女子高校生が登録販売者を目指したら」をテーマにしています。第2話です。前回の第1話では登録販売者とは何から登録販売者の勉強をする「登販部」の活動計画書の作成までのお話しでした。第2話では試験概要も含めて話が進んでいきます。ではお楽しみください
侑(Yuu)
目次(第2話の内容)
・5月第1週:侑は登録販売者の試験概要を確認した
・5月第2週:侑はなぜ登録販売者の試験勉強をしようと思ったか考えた
・5月第3週:テキスト勉強は進捗が見えな問題を解決する
・5月第4週:凛は「付き合いきれない!」と言った
5月第1週:侑は登録販売者の試験概要を確認した
学校図書館
侑
「テキストは種類が多い方がいい。とりあえずタイプの違う2冊は用意した。お姉いちゃんいわく、テキストは、完全網羅型テキストと要点要約型テキストの2冊あればいいと言っていたし」
「過去問題集はテキスト勉強の後で買おう」
「あと何か準備するもはあるかしら? そうだ、勉強方法はどうしょう?」
「考えること多い。」
凛
「テキストは2種類あるってどういう事?」
侑
「お姉ちゃんは、試験本番まで3ヶ月以上時間があるなら、試験範囲を完全網羅しているテキストと重要ポイントの要約したテキストの2冊あれば良いって言っていたんだよ」
凛
「なるほどねぇ。まぁ合格者の経験者が言うのだから信じましょ」
「ふぅ。とりあえず「登販部」としてさ、活動スケジュールどおり進めてみましょう。部としての目的が「登録販売者を目指して勉強する」のはいいとして」
「登録販売者を目指す!として具体的にどう行動するか?」
咲良
「あのぉ~、みなさん本当に登録販売者のことについて、何も知識ないのですか?」
侑、凛
「ないです! 名前は知っている」
咲良
「もしよろしければ、私が知っている登録販売者の試験についてお話ししましょうか?」
①受験資格
登録販売者の受験資格は2015年4月1日より撤廃されました。学歴、年齢、実務経験を問わず誰でも受験が可能です。
②実施時期
・各都道府県(ブロック)単位で年1回実施(年度で1回)
・各都道府県単位で実施。(試験日が違えば複数の都道府県に願書を提出し受験可能)
試験日が違えば、年に数回受験することが出来ます。
③出題範囲
・厚生労働省作成の「試験問題の作成に関する手引き」から出題。全5章に分かれ、各章の内容は下表の通り
第1章:医薬品に共通する特性と基本的な知識 | ・医薬品概論
・医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因 ・適切な医薬品選択と受診観奨 ・薬害の歴史 |
第2章:人体の働きと医薬品 | ・人体の構造と働き
・薬の働く仕組み ・症状からみた主な副作用 |
第3章:主な医薬品とその作用 | ・精神神経に作用する薬
・呼吸器官に作用する薬 ・胃腸に作用する薬 ・心臓などの器官や血液に作用する薬 ・排泄に関わる部位に作用する薬 ・婦人薬 ・アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む) ・鼻に用いる薬 ・眼科用薬 ・皮膚に用いる薬 ・歯や口中に用いる薬 ・禁煙補助剤 ・滋養強壮保健薬 ・漢方処方製剤・生薬製剤 ・公衆衛生用薬 ・一般用検査薬 |
第4章:薬事関連法規・制度 | ・薬事法の目的
・医薬品の分類・取扱い ・医薬品の販売業の許可 ・医薬品販売に関する法令厳守 |
第5章:医薬品の適正使用・安全対策 | ・医薬品の適正使用情報
・医薬品の安全対策 ・医薬品の副作用等による健康被害の救済 ・要指導医薬品及び一般用医薬品に関する主な安全対策 ・医薬品の適正使用のための啓発活動 |
出題範囲は同じですが、各都道府県(試験実施ブロック)によって試験内容は違います。試験の難易度に著しい差が出るのを防ぐため、厚生労働省がガイドラインを作成しています。
ガイドラインの改訂があれば毎年3月に発表されます。厚生労働省ホームページに掲載(参考:試験問題に関する手引き平成30年3月)
改訂の内容は第4章「薬事関連法規・制度」に関する変更や削除、追加です。
③出題数、試験時間、合格基準等
・出題数:全120問(第3章40問、それ以外の章は20問)
・試験時間:240分(午前60問120分、午後60問120分)
・合格基準:配点を各門1点とし、以下の二つの基準の両方を満たせば合格
●総出題数(120問)に対する正答率が7割以上(84点以上)であること
●各章ごとの出題数に対する正答率が3割5分~4割以上であること(都道府県によって異なる)
・出題方式:選択式(マークシート方式)
各章の正答率が3割5分から4割以上を求められるので、苦手な章を作らない事が大切です。
④受験申込から合格発表まで
1.受験申請書の入手
受験する都道府県で受験申込書を入手。受験申請書の配布時期は各都道府県によって違います。概ね試験日の2~3ヶ月前から配布。受験する各都道府県のホームページで確認できます。
2.受験申請書を提出
受験申請書を記入し、提出期間内に指定された窓口へ提出(郵送可能な都道府県もあり)。また郵送のみ受け付けの都道府県と提出方法は様々です。受験する各都道府県のホームページで確認できます。
3.受験票が郵送で受け取る
受験票が、受験申請書に記入した住所に送られてきます
4.試験日
試験会場は大学施設などで実施されるのが多い印象。試験日は全国で8月から12月までで実施。但し感染症などにより変更されることもあります。
5.合格発表
各都道府県のホームページ、保健所で掲示されます。合格証(合格通知書)が送られてくる。
「登録販売者の試験はイメージできましたか?」
凛
「めまいがしてきました。薬を買ってこようかしら」
侑
「なるほど! わかりやすい! ありがとう! この登録販売者試験の概要から登販部の勉強方法を具体的に落とし込んでいきましょう」
咲良
「あはは。全部テキスト買えばテキストの冒頭に載ってますよ。受け売りです。」
侑
「登販部の登録販売者勉強方法で考えると、やっぱりコツコツ勉強方法が定番かな?」
「各章の足切りラインに注意して苦手な章を作らない。ですね」
咲良
「そういうことです、そうなりますよね。」
「うちの町は関西広域ブロックですから試験日は8月末から9月前半が試験日でしょうね。」
侑
「今は4月だから、あと5ヵ月後ですか、了解です。」
凛
「ちょっと、私は全然勉強のイメージも湧かないよ!あと5ヵ月しかないと言うべきでしょう!」
侑
「大丈夫だよ! 登録販売者の試験は3、4ヵ月が普通だと言うし。時間にしたら150時間前後みたい。」
「大丈夫! やれる! 気持ちが原動力です!」
凛
「(だ・か・ら…私はその原動力の気持ちが湧かないんですけど)」
5月第2週:侑はなぜ登録販売者の試験勉強をしようと思ったか考えた
侑の家
侑
「ねぇ。お姉ちゃん。お姉ちゃんは何で登録販売者の資格を取ろうと思った?」
さゆり
「何だねいきなり妹よ。私が登録販売者の資格を取ってのは「お金」の為だよ。ドラッグの時給が上がるからね。」
侑
「でも、お金だけが目的ならすこし寂しくない。例えば先生になる人はお金より「教えることが好き」とか言うよ」
さゆり
「昔から侑はたまに深く考えることがあるよね。「教師は聖職」とか「医者は仁術」とかよく言われるけど登販については、そうねぇ「薬の販売を通して高齢化する社会の役に立ちたい」程度でいんじゃない」
侑
「まるで、お姉いちゃんの仕事で書いている記事のタイトルみたいだよ。登録販売者の勉強の前に「志」みたいのがあると、いいなぁと考えてさ」
さゆり
「志ねぇ。矜持とも言う。私はそれを見つけるのは、登販の試験に合格して、登録販売者として仕事をする中で「ひとりひとりが種火を見つる」ものだと思うね。種火が燃やし続けて大きな火になればそれが登録販売者の志、矜持になるんじゃないかな」
侑
「深いような、はぐらかされたような気がする」
さゆり
「私が言いたいのは、行動しやってみなければ解らないこともある!ってことだよ」
「私は見つけられなかったけど、侑はもしかしたら種火を見つけられるかもね。もし見つけたら大事に育てること。」
侑
「やってもなければ分らないこともある、種火ですかぁ」
5月第3週:テキスト勉強は進捗が見えな問題を解決する
学校図書室
侑
「登録販売者の勉強は進んでいる?テキストは1回は読破した?」
咲良
「毎日テキスト読んでますよ。今やっと第3章に入ったところです。しかし第3章は意味がわかりませんねぇ。聞いたことがないカタカナ薬品名にうんざりです。漢方や生薬名も入れるとしんどいな。」
「…薬剤師さんはもっと詳しく勉強するのでようねぇ。」
凛
「私も、第1章、第2章はスラスラとテキスト読めたけど第3章は、これはキビシイな。今までの学校で習った理科の知識も役に立たないし」
侑
「だよねぇ。私も同じ。よく試験にみんな合格したなぁ、と思うよ。ドラッグの社員さんは仕事しながら試験勉強って大変なのがわかった気がする」
凛
「ドラッグの社員さんなら仕事だからやるしかないでしょう。まぁ合格率を調べたたけど30%前後はあるし、公的資格としては易しい方の資格と書いてあったよ。」
咲良
「そりゃ薬剤師の資格は大学で6年勉強して国試に受からなけらならないのに比べれば、難易度は易しいでしょうね。」
「あぁ、薬剤師とは比べるべきではな・い・ですね」
侑
「しかし、テキストは今回みんな同じ物を選んだけどどう?みんな違うテキストの方が良かったかしら?」
凛
「何言ってんの! どのテキストが自分に合っているかなんて今の私達のレベルで判断できないでしょう。 ここは成功者のマネが一番です。」
咲良
「厚生労働省の手引きに準拠してテキストは作られています。そういう意味ではどのテキストも変わりりはないです。まずはやってみて考えましょう。」
京都東町ドラッグストア
田中さん
「いやぁ、ドラッグストアの仕事って傍から見ていたよりきついね。特にレジなんて大変。お客様は理不尽だし」
侑
「アハハ! まぁレジは大変ですよね。私もレジが嫌いなのはわかります」
田中さん
「私もアルバイトは長くないかも。店長からは「登録販売者の資格取りませんか?」とうるさいし」
侑
「田中さんは登録販売者の資格は取らないんですか? 時給が上がると言いますよ」
田中さん
「何言ってんの、社員の剛志さんもまだ登販の試験に合格していないのに、おばちゃんの私が取れるわけないでしょう。」
侑
「そうですか。でもやってみなければわからないです。いつも仕事を教えてもらっていて、ドラッグの仕事は何でも知っているじゃないですか」
田中さん
「そうだね!ありがとう。 必ず一発で合格する方法があるならやってもいいかな。そんなのあるわけないけどね。主婦は時間がないんだよ。 嫌になっちゃう。 さて無駄話は置いといて仕事しましょ。」
侑
「はい…」
5月第4週:凛は「付き合いきれない!」と言った
学校図書館
侑
「ねぇみんな今月中にとりあえずテキストをみんな1回読破しよう。そして登録販売者の過去問題を使って模擬試験をしてみない。」
咲良
「いいですねぇ。テキスト読み込みばかりで飽き飽きしていたところです。過去問はやればやるほどいいって言いますしね。」
凛
「どうぞどうぞ、登販部活動内容はきめてくれれば従います。私は半分幽霊部員ですから」
学校教員室
三上先生
「まるほど。登販部は、ちゃんと活動しているみたいね。図書館で3人で集まっていると思ったら登録販売者試験の勉強とはねぇ。」
「まさか本当に活動しているとは思っていませんでした。」
侑
「それはないです。ちゃんと部活の活動計画書出しましたよ。」
三上先生
「そうですね。ちゃんと頂いていました。」
侑
「それで今度、登録販売者の模擬試験をやることになって、放課後「音楽室」を2時間ほど使わせてもらいたいんです。」
咲良
「出来れば先生に試験監をやってもらえると嬉しいんですけど。公平性と緊張感も必要ですし」
凛
「べつに私は、そこまで本式にやることはないと言ったんですけどね。」
三上先生
「…いいですよ。協力しましょう。わが校の建学理念は「自由・自治・自立」にも合致します。誰も見ていないところでも努力し、ゆっくりでいいから前にすすんで行く、大切です。」
「模試試験問題も私が過去問題から決めて印刷してあげます。」
侑、咲良
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
凛
(勝手なことをするなと止めるべきでしょう)
三上先生
(睦月侑って、確か睦月さゆりの妹さんよねぇ。あの、さゆりの妹らしい。ちょっと気持ちを伝えることが下手なところが、さゆりと大きな違いかな)
高校音楽室
侑
「模擬試験の点数はどうだった? 私は第1章14点、第2章13点、第3章10点、第4章11点、第5章12点で、合計は60点。でした」
咲良
「私はねぇ、78点。」
凛
「私は51点でした。」
三上先生
「まぁ、そんな簡単な試験ではないです。気にしない。私も過去問題を印刷する時に読んだけどこれはしっかり集中して勉強はしないと合格しませんね。」
「テキスト本を1回読んだだけでしょう。当然と言えば当然じゃぁないかしら?」
侑
「先生、このままの勉強であと4ヵ月後の試験に受かると思いますか?」
三上先生
「…ぶっちゃけ、やり方、勉強方法しだいでしょうね。合格するように勉強する。合格に特化して勉強する、と言えばいいかな」
「ことわざに「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」と言うしね。」
侑、咲良
「………」
凛
「ねぇ…、もういいでしょ…」
「十分やったじゃない!!」
「こんなこと、やっても無駄だよ!」
「侑には悪いけど今回は付き合いきれない!」
「やりたければ一人でやればいいじゃない! こっちはいい迷惑よ! 何よ登販部って一人で浮かれてさ、バカみたいだよ!」
侑
「り・ん…」
凛
「悪いけど、帰る!!」
3話に続く⇒【登録販売者独学勉強方法】ブログ小説第3話:改革【もしドラッグでアルバイトしている女子高生が登録販売者を目指したら】
前の話第1話はこちら⇒【登録販売者独学勉強方法】ブログ小説第1話:『登販部』【もしドラッグでアルバイトしている女子高生が登録販売者を目指したら】