【登録販売者の勉強方法】主な医薬品とその作用【テキスト第3章6限目】
この記事では登録販売者試験の勉強方法について書いています。独学用です。3章の6回目です。登録販売者試験の第3章「主な医薬品とその作用」の覚え方、学習のポイントについて書いています。第3章のポイント・要約を教えて欲しい、そんな疑問にお答えします。
侑(Yuu)
この記事を読んでわかる事(記事の内容)
・抗菌作用を有する配合成分(水虫薬)
・頭皮、毛皮に作用する配合成分
・歯痛・歯槽膿漏薬
・口内炎用薬
・禁煙補助剤
この記事を読めば、誰でも登録販売者試験の第3章を簡単に理解し、合格点に到達する可能性を高めらられることを目的にしています。
この記事の信頼性
私は4ヶ月の登録販売者の勉強で2ブロックの試験に一発で合格しました。
受験したのは平成29年2017年です。受験ブロックは近畿エリアと東海エリアです。
▼近畿ブロックと東海ブロックの合格通知書です。
少しでも多くの人の、登録販売者試験合格の参考になれば幸いです。
できるだけ、簡潔に覚えやすいように短文で記事をかいています。
ではよろしくお願いします。
■【皮膚用薬の取扱い】
・外皮用薬を使用する際のポイント
→患部を清浄にしてから使用する(汚れが付着していると有効成分の浸透性が低下するため)
→入浴後に用いるのが効果的とされている(表皮の角膜層が柔らかくなることで有効成分が浸透しやすくなるため)
・剤形による取扱上の注意
貼付剤:同じ部位に連続して添付することでかぶれやすくなる
エアゾール剤:患部から十分離して噴霧し、連続して噴霧する時間は3秒以内とする
■【痒み、腫れ、痛み等を抑える配合成分】
ステロイド性抗炎症成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
デキサメタゾン
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル ヒドロコルチゾン |
・副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の持つ坑炎症作用に着目し、人工的に合成
・外用の場合、末梢組織における炎症を抑える作用を示し、特に痒みや発赤などの皮膚症状を抑える |
・副作用:末梢の免疫機能の低下、皮膚感染、持続的な刺激感など→水痘、水虫、たむし等または化膿している患部には使用不可
・広範囲、慢性の症状は対象外 ・ステロイド性坑炎症成分をコルチゾンに換算して1gまたは1ml中0.025㎎を超えて含有する製品では特に長期連用を避ける |
非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)
用途 | 成分名 | 作用 | 副作用・注意点 |
皮膚炎 | ブフェキサマク
ウフェナマート |
・皮膚の炎症によるほてりや痒み等の緩和
・湿疹、皮膚炎等による皮膚症状の緩和 |
・ブフェキサマク:接触皮膚炎 |
湿布薬 | インドメタシン
フェルビナク ケトプロフェン ピロキシカム ジクロフェナクナトリウム |
・筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫、腰痛などの鎮痛
・骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑える作用 |
・基本的に15歳未満使用不可 ・副作用:喘息 ・使用禁止:喘息患者、妊婦、小児 ・ケトプロフェン:光線過敏症 ・ピロキシカム:光線過敏症 ・殺菌作用はないため、皮膚感染症に対しては効果無し→皮膚感染不顕性化のおそれ |
サリチル酸メチル
サリチル酸グリコール |
・血行促進
・末梢の知覚神経麻痺による鎮痛効果 |
・発疹 | |
他 | イブプロフェンピコノール | ・吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れの抑制等
・にきび治療薬 |
・外用での鎮痛作用はほとんど期待されない |
局所刺激成分
種類 | 成分名 | 作用 | 用途 |
冷感刺激成分 | メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油 | 皮膚に冷感刺激を与え、反射的な血管の拡張による患部の血行を促す | 急性症状(打撲・捻挫) |
温感刺激成分 | カプサイシン
メニル酸ワニリルアミド ニコチン酸ベンジルエステルなど |
皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す | 慢性症状(腰痛等) |
クロタミトン | 軽い放熱感で痒みを感じにくくさせる | 皮膚炎等 |
収斂・皮膚保護成分:酸化亜鉛、ピロキシリン
組織修復成分:アラントイン、ビタミンA油
血管収縮成分(止血作用):ナファゾリン塩酸塩など
血行促進成分:ビタミンE、ヘパリン類似物質(血液凝固を抑えるため出血しやすい人×)
アトピー性皮膚炎は、医師による専門的な治療を要する疾患であり、一般用医薬品の使用によって対処できる範囲を超えている→その旨を説明し医療機関の受信を促すことが重要
■【肌の角質化、かさつき等を改善する配合成分】
うおのめ(鶏目) | 角質の芯が新皮に食い込んでいる、圧迫されると痛みを感じる |
たこ(胼胝) | 角質層の一部が肥厚、芯がない。通常痛みは伴わない |
いぼ(疣贅) | 表皮が隆起した小型の良性腫瘍。ウイルス性と老人性がある。ウイルス性:1~2年で自然寛解、医薬品のみ |
角質軟化成分
成分 | 作用 |
サリチル酸 | 角質成分を溶解、角質軟化作用
抗菌、坑真菌、坑炎症→にきび用薬 ふけを抑える→毛髪用薬 |
イオウ | ケラチンを変質、角質軟化作用
抗菌、坑真菌→にきび用薬 |
保湿成分(角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善)
グリセリン、尿素、白色ワセリン、オリブ油
■【抗菌作用を有する配合成分】
抗菌成分
成分 | 作用 |
サルファ剤 | 細菌のDNA合成を阻害 |
スルファジアジン | |
ホモスルファミン | |
スルフィソキサゾール | |
バシトラシン | 細菌の細胞壁合成を阻害 |
硫酸フラジオマイシン | 細菌のタンパク質合成を阻害 |
クロラムフェニコール |
■【抗真菌作用を有する配合成分(水虫薬)】
・みずむし・たむしは、皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌類の一種が皮膚に寄生することで起こる疾患
・剤形の選択
じゅくじゅくと湿潤→軟膏かクリーム
皮膚が厚く角質化→液剤(浸透性は高いが刺激は強い)
・湿疹か皮膚糸状菌による皮膚感染かはっきりしない場合に、坑真菌成分を使用することは適当ではない
坑真菌成分
成分 | 作用 |
【イミダゾール系坑真菌成分】 オキシコナゾール硫酸塩クロトリマゾール など |
皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させて増殖を抑える |
ブテナフィン塩酸塩
テルビナフィン塩酸塩 |
皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げて増殖を抑える |
シクロピロクスオラミン | 皮膚糸状菌の細胞膜に作用し、増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げ、増殖を抑える |
ウンデシレン酸 | 患部を酸性にすることで、皮膚糸状菌の発育を抑える |
ピロールニトリン | 菌の呼吸や代謝を妨げて増殖を抑える |
■【頭皮・毛根に作用する配合成分】
成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
カルプロニウム塩化物 | ・末梢組織(適用局所)において、アセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示す
・頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待 |
コリン作用による全身性の発汗、寒気、震え、吐きけ |
エストラジオール安息香酸エチル | 女性ホルモンによる脱毛抑制効果を期待 | 妊婦使用不可 |
生薬名 | 素材 | 備考 |
カシュウ | タデ科のツルドクダミの塊根 | 頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用 |
チクセツニンジン | ウコギ科のトチバニンジンの根茎を、通例、湯通ししたもの | 血行促進、坑炎症などの作用 |
ヒノキチオール | ヒノキ科のタイワンヒノキ、ヒバ等から得られた製油成分 | 抗菌、血行促進、抗炎症などの作用 |
■【歯痛・歯槽膿漏薬】
<歯痛薬(外用)に含まれる成分>
局所麻酔成分
アミノ安息香酸エチル
ジブカイン塩酸塩 テーカイン |
齲蝕(ウショク)により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める |
メントール
カンフル ハッカ油 ユーカリ油 |
冷感刺激を与えて知覚神経を麻痺させ、鎮痛、鎮痒の効果 |
殺菌消毒成分:齲蝕を生じた部位における細菌の繁殖を抑える
フェノール
木クレオソート オイゲノール セチルピリジニウム塩化物 |
坑炎症、局所麻酔作用 |
生薬成分
サンシン(アカネ科クチナシの果実) | 抗炎症 |
<歯槽膿漏薬に含まれる成分(外用薬)>
殺菌消毒成分:歯肉溝での細菌の増殖を抑える
セチルピリジニウム塩化物
クロルヘキシジングルコン酸塩 イソプロピルメチルフェノール チモール ヒノキチオール チョウジ油 |
坑炎症成分→グリチルリチン酸ニカリウム
止血成分→カルバゾクロム
組織修復成分→アラントイン
<歯槽膿漏薬に含まれる成分(内服薬)>
坑炎症成分→リゾチーム塩酸塩
止血成分
フィトナジオン(ビタミンK1)
カルバゾクロム |
・炎症を生じた歯周組織からの出血を抑える
・血液の凝固機能を正常に保つ |
組織修復成分
銅クロロフィリンナトリウム | ・炎症を生じた歯周組織の修復を促す ・歯肉炎に伴う口臭を抑える |
ビタミン成分
アスコルビン酸(ビタミンC) | コラーゲン代謝を改善して炎症を起こした歯周組織の修復を助け、毛細血管を強化して炎症による腫れや出血を抑える |
トコフェロールコハク酸エステル | 歯周組織の血行を促す |
カルシウム(ビタミンE) |
■【口内炎用薬】
・口内炎や舌炎は、いずれも口腔粘膜に生じる炎症で、代表的な口腔疾患であり、口腔の粘膜上皮に水泡や潰瘍が出来て痛み、ときに口臭を伴う
・医薬品の副作用として口内炎を生じる場合もある
坑炎症成分 | |
グリチルリチン酸ニカリウム
グリチルレチン酸 |
口腔粘膜の炎症を和らげる |
アズレンスルホン酸ナトリウム (水溶性アズレン) |
口腔粘膜の組織修復を促す |
殺菌消毒成分 |
セチルピリジニウム塩化物
クロルヘキシジン塩化物 アクリノール ポピドンヨード |
生薬成分 | |
シコン(ムラサキ科のムラサキの根) | 組織修復促進、抗菌など |
漢方処方製剤(内服) | |
茵蔯蒿湯(ダイオウ含) | 口内炎 |
■【禁煙補助剤】
<禁煙補助剤>
・ニコチン置換療法
ニコチンの摂取方法を喫煙以外に換えて離脱症状の軽減を図りながら徐々に摂取量を減らし、最終的にニコチン摂取をゼロにする方法⇒喫煙を完全に止めた上で使用する
・咀嚼剤
噛むことにより口腔内でニコチンが放出され、口腔粘膜から吸収されて循環血液中に移行
バッチ製剤…1日1回皮膚に添付することによりニコチンが皮膚を通過して血中に移行する
・ゆっくりと継続的に噛むこと。噛みすぎて唾液が出過ぎたときは、飲み込ますに吐き出す→ガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれ、吐き気や腹痛等の副作用が現れやすくなる
・大量に使用しても禁煙達成が早まるものではなく、逆にニコチン過剰摂取による副作用の恐れ→1度に2個以上の使用は避ける
・急性期脳血障害、重い心臓病等の基礎疾患がある人は、循環器系に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるため使用を避ける
・うつ病と診断されたことのある人は使用を避ける(禁煙時の離脱症状により、うつ病を悪化させることがあるため)
・妊婦×、授乳×(胎児または乳児に悪影響)、非喫煙者×
<相互作用、その他注意>
・口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下→コーヒーや炭酸飲料等口腔内を酸性にする食品を摂取した後しばらくは使用を避ける
・ニコチンは交換神経を興奮させるため、アドレナリン作動成分を含む医薬品の作用を増強させる恐れ
・インスリン製剤を使用している人は、ニコチンがインスリンの血糖降下作用に影響(拮抗)し、効果を妨げる恐れ
・禁煙補助剤は長期間にわたって使用されるべきものではない→添付文書で定められた期限を超える使用は避けるべきである
■【まとめ:第3章「皮膚用薬・水虫薬・頭皮毛根・歯痛歯槽膿漏薬・口内炎用薬・禁煙補助剤」(6限目)】
勉強ポイントのまとめです。
・傷口等の殺菌消毒成分は「第3章8限目の消毒薬」参照
・ステロイド性抗炎症成分は語尾が「ゾン」「ゾロン」
・「抗菌作用を有する配合成分」「坑抗菌作用を有する配合成分」は要チェック。成分と作用を紐づけて覚えよう。
3章はボリュームたくさんです。ちなみに3章は8限目で終了予定です。
参考:厚生労働省「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」より