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【登録販売者の勉強方法】人体の働きと医薬品【テキスト第2章4限目】

YuuMUTSUKI
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YuuMUTSUKI
現役の登録販売者です。 学生時代にアルバイト中に登録販売者の資格試験に合格しました。 一発合格で2ヵ所受かりました。 登録販売者としてアルバイト、パート、社員の立場で働いた経験があります。働いた業態はコンビニ、スーパー、コンビニで登録販売者です。このブログ「登販部」名は、緩いつながりの部活みたいなサイトになればいいなぁという思いでつけました。以下の「詳しいプロフィールはこちら」に登録販売者についての私のQ&Aをまとめています。
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この記事は登録販売者試験の勉強方法について書いています。独学用です。2章の4回目です。登録販売者試験の第2章「人体の働きと医薬品」の覚え方、学習のポイントについて書いています。第2章のポイント・要約を教えて欲しい、そんな疑問にお答えします。

侑(Yuu)

この記事を読んでわかる事(記事の内容)

・薬が働く仕組み①

・薬が働く仕組み②:剤形ごとの違い、適切な使用方法

この記事を読めば、誰でも登録販売者試験の第2章を簡単に理解し、合格点に到達する可能性を高められることを目的にしています。

この記事の信頼性

私は4ヶ月の登録販売者の勉強で2ブロックの試験に一発で合格しました。

受験したのは平成29年2017年です。受験ブロックは近畿エリアと東海エリアです。

▼近畿ブロックと東海ブロックの合格通知書です。

少しでも多くの人の、登録販売者試験合格の参考になれば幸いです。

できるだけ、簡潔に覚えやすいように短文で記事をかいています。
ではよろしくお願いします。

■【薬が働く仕組み①】

<全身作用と局所作用>
・全身作用…有効成分が吸収されて循環血液中に移行し、全身を巡って薬効をもたらす

・局所作用…特定の狭い身体部位において薬効をもたらす

・全身作用の例…内服薬の多く。有効成分が消化管で吸収された後、循環血液中に入って薬効をもたらす。
例外:膨潤性下剤・生菌製剤など有効成分が消化管内で作用→局所作用
※胃腸薬…有効成分が循環血液中に入ってから薬効をもたらす場合は全身作用

・局所作用の例…外用薬の多く。適用部位の局所的な作用を目的としている
例外:坐剤・経皮吸収製剤など。内服以外の経路から薬が吸収され、循環血液中に入って薬効をもたらす場合は全身作用

(a)有効成分の吸収
<薬の生体内運命>

①吸収(人の体に薬が入っていくこと)消化管・粘膜・皮膚吸収など

②分布(血液循環にのって薬が体におくられること)

③代謝(肝臓で薬を無害なものに分解すること)

④排出(水と一緒に尿や糞便となり体外に出されること)母乳などに移行されることもある

①消化管吸収
・吸収⇒医薬品が循環血液中に・リンパ液中に移行すること

・内服薬のほとんどは有効成分が消化管から吸収されて循環血液中に移行し全身作用を現す

・錠剤、カプセル剤等の固形剤の場合、消化管で吸収される前に錠剤等が消化管内で崩壊して、有効成分が溶け出さなければならないが、腸溶性製剤のような特殊なものを除き、で有効成分が溶出するものが大部分である。

・有効成分は主に小腸で吸収される

一般に、消化管からの吸収は、消化管が積極的に医薬品を取り込むのではなく、濃度の高い方から低い方受動的拡散していく現象である

・有効成分の吸収量、吸収速度⇒消化管内容物や他の医薬品の作用により影響を受ける

消化管吸収(かぜ薬の例)
口(くち)→胃で溶ける→小腸で吸収→門脈経由し→肝臓で代謝→全身へ

内服以外の粘膜吸収(坐剤の例)
直接粘膜で吸収→全身へ
初めに肝臓の代謝がない→作用が速やかに現れる

②内服以外の用法における粘膜
坐剤(直腸内壁の粘膜)
→肛門から挿入すると直腸内で溶ける
→直腸内壁の粘膜は薄く、その下を静脈が豊富に通っており、有効成分が容易に循環血液中に入るため、内服の場合よりも全身作用が速やかに現れる

・禁煙補助薬のニコチン(咀嚼剤)等
→有効成分が口腔粘膜から吸収されて全身作用を現す
→肛門・口腔の部分を通っている静脈血は肝臓を通らない⇒初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布する

点鼻薬(鼻腔粘膜)
→一般用医薬品では、全身作用を目的とする点鼻薬はない
→局所作用のために用いられる
※ただし初めに肝臓で代謝を受けることなく全身へ分布するため、全身性の副作用を生じることがある

・点眼薬(目の粘膜):鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがある

・含創薬ガンソウヤク(喉の粘膜):咽頭粘膜からの吸収が原因で全身的な副作用が起こることは少ない※ただし、少量でもショック(アナフィラキシー)の可能性あり

③皮膚呼吸(浸透)
・皮膚に適用する医薬品(塗り薬、張り薬等)⇒適用部位に対する局所的な効果を目的とするものがほとんど

・通常は皮膚表面から循環血液中へ移行する量は少ないが、血液中に移行した有効成分は、肝臓で代謝を受ける前に血流に乗って全身に分布するため、全身作用が現れることがある

(b)薬の代謝・排出
・代謝⇒物質が体内で化学的に変化すること

有効成分も循環血液中に移行して体内を循環するうちに徐々に代謝を受けて分解されたり、体内の他の物質が結合するなどして構造が変化
→結果、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排出されやすい水溶性の物質に変化したりする

・排出⇒代謝によって生じた物質(代謝物)が尿素で体外へ排出されること
有効成分は未変化体のまま、あるいは代謝物として腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、または肺から呼気中へ排出される。体外への排出経路としては、他に汗中や母乳中などがある

①消化管で吸収されてから循環血液中に入るまでの間に起こる代謝
・経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行

・その血液は全身循環に入る前に門脈を経由して肝臓を通過するため、吸収された有効成分は、まず肝臓に存在する酵素の働きにより代謝を受けることになる
→全身循環に移行する有効成分の量は、消化管で吸収された量よりも、肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなる(肝初回通過効果)
肝機能が低下した人では医薬品を代謝する能力が低いため、正常な人に比べて全身循環に到達する有効成分の量がより多くなり、効き目も過剰に現れたり、副作用を生じやすくなる

・小腸などの消化管粘膜腎臓にも、かなり強い代謝活性がある

②循環血液中に移行した有効成分の代謝・排出
・循環血液中に移行した有効成分は、主として肝細胞の薬物代謝酵素によって代謝を受ける

・多くの有効成分は血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成する

・複合体を形成している有効成分の分子は、代謝されず、トランスポーターに輸送されることもない
→血中濃度の低下は徐々に起こる

・血漿タンパク質との結合は速やかかつ可逆的(もとに戻ることができる)

・循環血液中に存在する有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で肝臓から尿中に排出される
→腎機能が低下した人では正常の人よりも有効成分の尿への排出が遅れ血中濃度が下がりにくくなり、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなる

複合体は腎臓で濾過されない

<複合体の特徴>

遊離型 複合体
作用 標的器官の表面に分布する特定のタンパク質(受容体)に結合 受容体に結合できない
代謝 肝臓にて代謝を受ける 酵素が作用しないために代謝されない
排出 腎臓で濾過され排出(未変化体も代謝物も) 濾過されず循環血流中にとどまる

<薬の体内での働き>
・循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれて作用
→標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す

・医薬品が効果を発揮するためには、有効成分がその作用の対象である器官や組織の細胞外液中あるいは細胞内液(細胞質という)中に、一定以上の濃度で分布する必要がある→血中濃度を目安とする

・医薬品が摂取された後、成分が吸収されるにつれてその血中濃度は上昇し、ある最小有効濃度(閾値イキチ)を超えた時に生体の反応としての薬効が現れる

・血中濃度は、ある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していく
→代謝・排出の速度が吸収・分布の速度を上回るため
→血中濃度が最少有効濃度を下回ると、薬効は消失する(「薬が切れる」状態)

・一度に大量の医薬品を摂取したり、十分な間隔を開けずに追加摂取して血中濃度を高くしても、ある濃度以上になると薬効は頭打ちになり、有害な作用(副作用や毒性)は現れやすくなる

■【薬が働く仕組み②:剤形ごとの違い、適切な使用方法】


剤形…医薬品の形状

(a)錠剤(内服)
・錠剤(内服)は、胃、腸で崩壊し、有効成分が溶出して薬効をもたらす剤形
→口中で噛み砕いて服用することは適切ではない

(b)口腔用錠剤

口腔内崩壊錠 口の中で唾液によって比較的速やかに溶けるため、水なしで服用することもでき、固形物を飲み込むことが困難な高齢者や乳幼児も、口の中で溶かした後に唾液と一緒に容易に飲み込むことができる
チュアブル錠 口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる
トローチ、ドロップ 薬効を期待する部位が口の中や喉に対するものでもある場合が多く、飲み込まずに口の中で舐めて徐々に溶かして使用する

(c)散剤・顆粒剤
・散剤…錠剤のように大きく固形物に固めず、粉末状にしたもの

・顆粒剤…小さな粒状としたもの→顆粒剤は粒の表面がコーティングされているものもあるので、噛み砕かずに水などで食道に流し込む

(d)経口液剤・シロップ剤
・液状の剤形のうち、内服用の剤形

・固形製剤よりも飲み込みやすく、また既に有効成分が液中に溶けたり、分散したりしているため、服用後比較的速やかに消化管から吸収される

・有効成分の血中濃度が上昇しやすいため、習慣性や依存性がある成分が配合されているものの場合、本来の目的とは異なる不適正な使用がなされることがある

・シロップ剤は粘りがあり容器に残りやすいので、残った部分を水ですすいで、すすぎ液も飲み込むなどの工夫が必要

(e)カプセル剤
・原材料として広く用いられているゼラチンはブタなどのタンパク質であるため、アレルギーを持つ人は要注意。必ず適切な量の水(又はぬるま湯)とともに服用する

(f)外用局所に適用する剤形

軟膏材・クリーム剤 ・基剤によって軟膏材とクリーム剤に大別
★軟膏材…適用部位を水から遮断したい場合
★クリーム剤…幹部が乾燥していたり、水で洗い流したい場合
外用液剤 ・軟膏材やクリーム剤に比べて患部が乾きやすい
・直接的な刺激感等を与える場合がある
貼付剤(テープ剤、バップ剤) ・有効成分が一定期間溜まるため、薬効の持続が期待できる
・かぶれなどを起こす場合もある
スプレー剤 ・有効成分(薬液)を霧状にする等して局所に吹き付ける剤形
・手指等では塗りにくい部位に用いる場合等に適す
・比較的広義な部位に適用する場合にも用いられる

 

■【まとめ:第2章「薬が働く仕組み」(4限目)】

第2章の「薬が働く仕組み」をまとめました。

「薬が働く仕組み」の学習ポイントと要点をまとめました。2章の4回目です。2章はあと1回予定です。2章は5回です。

この部分は薬の販売にも直接役に立つ知識です。今まで身近に使っていた薬の働く仕組みを学べます。今までで、使ったことのある薬を思い出しながら勉強すると、理解が深まります。

私はそうして覚えていきました。

参考:厚生労働省「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」より

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