【登録販売者の勉強方法】主な医薬品とその作用【テキスト第3章4限目】
この記事では登録販売者試験の勉強方法について書いています。独学用です。3章の4回目です。登録販売者試験の第3章「主な医薬品とその作用」の覚え方、学習のポイントについて書いています。第3章のポイント・要約を教えて欲しい、そんな疑問にお答えします。
侑(Yuu)
この記事を読んでわかる事(記事の内容)
・強心薬
・高コレステロール改善薬
・貧血用薬(鉄製剤)
・その他の循環器用薬
・痔の薬
・その他の泌尿器用薬
この記事を読めば、誰でも登録販売者試験の第3章を簡単に理解し、合格点に到達する可能性を高めらられることを目的にしています。
この記事の信頼性
私は4ヶ月の登録販売者の勉強で2ブロックの試験に一発で合格しました。
受験したのは平成29年2017年です。受験ブロックは近畿エリアと東海エリアです。
▼近畿ブロックと東海ブロックの合格通知書です。
少しでも多くの人の、登録販売者試験合格の参考になれば幸いです。
できるだけ、簡潔に覚えやすいように短文で記事をかいています。
ではよろしくお願いします。
■【その他の消化器官用薬(浣腸薬・駆虫薬)】
<浣腸薬>
浣腸薬の使用上の注意
・「連用しないこと」繰り返し使うと直腸の感受性が低下が生じ、効果が弱まるため
・妊婦×(流産・早産を誘発するおそれ)
・便秘以外で直腸内容物の排除を目的として用いることは適当ではない
注入剤 用法:人肌程度に温める/注入後はしばらく我慢/残量は廃棄
成分 | 作用 | 注意点 |
グリセリン
ソルビトール |
浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激する | グリセリンの注意点として ・排便時血圧低下 ・肛門に傷、出血⇒貧血、腎不全 |
坐剤
成分 | 作用 | 注意点 |
ピサコジル | 直腸を刺激 | |
炭酸水素ナトリウム | 直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待 | 重篤な副作用としてショック |
<駆虫薬>
・駆虫薬とは、腸管内の寄生虫を駆除するための医薬品
・一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫と蟯虫のみ(それ以外は受診)
・駆虫薬は腸管内に生息する虫体にのみ作用→虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫には作用しない→1ヶ月以上間隔を置いて再度使用
・複数の駆虫薬を併用しても駆虫効果は高まらず、副作用が現れやすくなったり、駆虫効果が減弱することもある
・空腹時に使用するものが多い(食後に使用すると駆虫成分の吸収が高まるため)
・ヒマシ油との併用は避ける(腸内で駆虫成分が吸収されやすくなるため)
駆虫成分
成分 | 対象の虫 | 作用 | 副作用・注意点 |
サニトニン | 回虫 | 自発運動を抑える作用を示し、虫体を排便とともに排出させる | ・肝臓病の人相談 ・一時的に物が黄色に見えたり、耳鳴り、口喝が現れる |
カイニン酸 | 回虫 | 痙攣を起こさせる作用を示し、虫体を排便とともに排出させる | カイニン酸を含む生薬成分→マクリ |
ピペラジンリン塩酸 | 回虫・蟯虫 | アセチルコリン伝達を妨げて、運動筋を麻痺させる | 痙攣、倦怠感、眠気、食欲不振、下痢、便秘等 |
バモ酸ピルピニウム | 蟯虫 | 呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用 | ・尿、便が赤くなることがある ・水に溶けにくいため消化管からの吸収は少ないとされている ・ヒマシ油との併用× |
■【強心薬】
強心薬は疲労やストレス等による軽度の心臓の働きの乱れについて、心臓の働きを抑えて、動悸や息切れ等の症状の改善を目的とする医薬品
心筋に作用して、その収縮力を高めるとされる成分(強心成分)を主体として配合される
強心成分:心筋に直接刺激を与えてその収縮力を高める
生薬名 | 素材 | 備考 |
センソ | ヒキガエル科のシナヒキガエルの毒腺の分泌物 | ・微量で強い強心作用 ・皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示す ・口中で噛むと舌等が麻痺することがあるため、噛まずに服用 ・1日用量5㎎を超える医薬品は劇薬指定 |
ジャコウ | シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物 | ・強心作用 ・呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高める、意識をはっきりさせる等 |
ゴオウ | ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石 | ・強心作用 ・末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮める等 |
ロクジョウ | シカ科のマンシュウアカジカまたはマンシュウジカの雄のまだ角化していない、もしくはわずかに角化した幼角 | ・強心作用 ・強壮、血行促進等 |
強心薬以外の配合成分
生薬名 | 素材 | 備考 |
リュウノウ | 中枢神経系の刺激作用による気つけ | |
シンジュ | ウグイスガイ科のアコヤガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質 | 鎮静作用 |
【漢方処方製剤】
製剤名 | 効能・効果 |
苓桂朮甘湯 | ・体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経痛、神経過敏 ・強心作用が期待される生薬は含まれず、主に尿量増加(利尿)作用により、水毒の排出を促すことを主眼とする(水毒とは漢方の考え方で、体の水分が停滞したり偏在してその循環が悪いことを意味する) |
■【高コレステロール改善薬】
・コレステロールは細胞の構成成分で胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質でもある等、生体に不可欠な物質
・コレステロールの産生及び代謝は、主として肝臓で行われる
・コレステロールは水に溶けにくい性質→血漿タンパク質と結合したリポタンパク質として血液中に存在
・高コレステロール改善薬は血中コレステロール異常の改善、血中コレステロール異常に伴う末梢血行改善(手足の冷え)の緩和等を目的として使用される医薬品である
→コレステロールを肝臓から末梢組織へ運ぶリポタンパク質
高密度リポタンパク質(HDL:善玉コレステロール)
→末梢組織のコレステロールを取り込み肝臓へ運ぶリポタンパク質
・LDHが140㎎/dL 以上、HDLが40㎎/dL未満、中性脂肪が150㎎/dL 以上のいずれかである状態を脂質異常症という
成分 | 作用 | 副作用・その他 |
大豆油不鹸化物(ソイステロール) | ・腸管におけるコレステロールの吸収を抑える | ・悪心(吐きけ)
・胃部不快感 ・胸やけ ・下痢 など |
リノール酸
ポリエンホスファチジルコリン |
・コレステロールと結合して、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す | |
パンテチン | ・LDH等の異化排出を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、HDLの産生を高める | |
ビタミンB2(リポフラビン) | ・コレステロールの生合成抑制と排泄、異化促進作用 ・中性脂肪抑制作用 ・過酸化脂質分解作用 |
尿が黄色になるが、使用の中止を要する副作用等の異常ではない |
ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル) | ・コレステロールから過酸化脂質の生成を抑える ・末梢血管における血行を促進する ・血中コレステロール以上に伴う末梢血行障害の緩和 |
ガンマーオリザノールが配合されている場合もある |
・高コレステロール改善薬は、痩身効果を目的とするものではない
■【貧血用薬(鉄製剤)】
・貧血:
ビタミン欠乏症貧血…ビタミンB12の欠乏
鉄欠乏症貧血…鉄分不足←鉄製剤で改善できる貧血
・鉄分は赤血球が酸素を運搬する上で重要なヘモグロビンの産生に不可欠なミネラル
・鉄分の摂取不足を生じても、ただちに貧血症状は現れない(体に貯めてある、貯蔵鉄・血清鉄が減少するのみ)
・持続的に鉄が欠乏すると、ヘモグロビンが減少、貧血症状を生じる
成分 | 作用・特徴・注意点 |
鉄分
フマル酸第一鉄 溶性ピロリン酸第二鉄 |
・不足した鉄分を補給する
・鉄製剤の服用で便が黒くなることがあるが、副作用等の異常ではない※服用前から便が黒い場合は消化管内出血の場合あり |
鉄分以外の金属成分 | |
銅 | ・ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割 ・補充された鉄分を利用してヘモグロビン産生を助ける目的で硫酸銅が配合 |
コバルト | ・赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分 ・骨髄での造血機能を高める目的で硫酸コバルトが配合 |
マンガン | ・糖質、脂質、タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成物質 ・エネルギー合成を促進する目的で、硫酸マンガンが配合 |
ビタミン成分 | ・貧血を改善するためのヘモグロビン産生
・正常な赤血球の形成 |
ビタミンB6 | |
ビタミンB12 | |
ビタミンE | |
葉酸 | |
ビタミンC | 消化管内で鉄が吸収されやすい状態(ヘム鉄)に保つ |
・服用時の注意点:鉄分の吸収は空腹時の方が高いが、消化器系への副作用を軽減するのは食後に服用する。服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶など)を摂取すると鉄の吸収が悪くなる
■【その他の循環器用薬】
成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
コウカ | 末梢の血行を促して鬱血を除く | |
ユビデカレノン(コエンザイムQ10) | ・肝臓や心臓などに存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける ・ビタミンB群とともに働く ・心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示す ・軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し超えたときにおこる動悸、息切れ、むくみの症状に |
・15歳未満の小児向けの製品はない ・2週間位使用して症状の改善が見られない場合、使用を継続することは適当ではない |
ヘプロニカート
イノシトールヘキサニコチネート |
代謝されたニコチン酸が遊離し、その働きによって末梢の血液循環を改善 | ビタミンEと組み合わせて用いる |
ルチン | 高血圧等における毛細血管の補強・強化 | ビタミン様物質の一種 |
【漢方処方製剤】
製剤名 | 効能・効果・注意点 |
三黄瀉心湯 ダイオウ含 | ・体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向などのあるものの高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症 ・瀉下薬の併用を避ける |
七物降下湯 | ・体力中等度以下で、顔色が悪くて疲れやすく、胃腸障害のないものの高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重) ・15歳未満の小児への使用は避ける |
■【痔の薬】
・痔は、肛門に過度の負担をかけることやストレス等により生じる生活習慣病
痔核(いぼ痔) | 肛門に存在する細かい血菅群が部分的に拡張し、肛門にいぼ状の腫れ 内痔核:歯状腺より上部の直腸粘膜、知覚神経が通っていないため、自覚症状が少ない 外痔核:歯状腺より下部の肛門の出口側、排便と関係なく痛む |
裂肛(切れ痔) | 肛門の出口からやや内側の上皮に傷が生じた状態 勢いよく便が通過する際に粘膜が傷つけられることで生じる |
痔瘻(あな痔) | 肛門腺窩に排便のかすがたまって炎症・化膿を生じた状態(手術必要) |
・外用痔疾用薬と内容痔疾用薬とがあり、併せて用いると効果的
・坐剤及び注入軟膏では、成分の一部が直腸粘膜から吸収され全身的な影響を生じることがある
<外用痔疾用薬の配合成分>
局所麻酔成分
成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
リドカイン
ジブカイン塩酸塩 プロカイン塩酸塩 アミノ安息香酸エチル |
・知覚神経に作用して刺激の伝達を可逆的に遮断する
・痔に伴う痛みや痒みを和らげる |
坐剤及び注入軟膏では、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー) |
鎮痒成分(かゆみ止め)
種類 | 成分 | 作用 |
坑ヒスタミン成分 | ジフェンヒドラミン塩酸塩
クロルフェニラミンマレイン酸塩 |
痔に伴う痒みを和らげる |
局所刺激成分 | クロタミトン(熱感刺激)
カンフル(冷感刺激) |
局所への穏やかな刺激によって痒みを抑える |
坑炎症成分
種類 | 成分 | 作用 |
ステロイド性坑炎症成分 | ヒドロコルチゾン酢酸エステル
プレドニゾロン酢酸エステル |
・痔による肛門部の炎症や痒みを和らげる ・ステロイド性坑炎症成分が配合された坐剤及び注入軟膏では、その含有量によらず長期連用は避ける |
その他 | グルチルレチン酸 | 比較的緩和な坑炎症作用を示す |
組織修復成分
成分 | 作用 |
アラントイン | 痔による肛門部の創傷の治癒を促す |
止血成分
種類 | 成分 | 作用 |
アドレナリン作動成分 | テトラヒドロゾリン塩酸塩
メチルエフェドリン塩酸塩 ナファゾリン塩酸塩 |
血管収縮作用による止血効果 |
収斂保護
止血成分 |
タンニン酸
酸化亜鉛 |
粘膜表面に不溶性の膜を形成することによる粘膜の保護・止血 |
その他
生薬名 | 素材 | 作用 |
シコン(紫根) | ムラサキ科のムラサキの根 | 新陳代謝促進、殺菌、抗炎症 |
セイヨウトチノミ | トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子 | 血行促進、抗炎症 |
<内用痔疾用薬の配合成分>
成分 | 作用 |
カイカ
カイカク |
止血効果 |
カルバゾクロム | 毛細血管を補強・強化して止血を抑える働き、止血効果を期待 |
ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル等) | 肛門周囲の末梢血菅の血行を促して、鬱血を改善する効果を期待 |
【漢方処方製剤】
製剤名 | 効能・効果 |
乙字湯 カンゾウ、ダイオウ含 | 体力中等度以上で大便が硬く、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛 |
■【その他の泌尿器用薬】
尿路消毒成分
ウワウルシ(ツツジ科のクマコケモモの葉):利尿作用のほかに、経口的に摂取した後、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用を示し、尿路の殺菌消毒効果を期待
生薬成分:利尿作用を期待して配合
カゴソウ | シソ科のウツボグサの花穂 |
キササゲ | ノウゼンカズラ科のキササゲの果実 |
サンキライ | ユリ科のケナシサルトリイバラの塊茎 |
ソウハクヒ | クワ科のマグワの根皮 |
モクツウ | アケビ科のアケビ |
ブクリョウ | サルノコシカケ科のマツホドの菌核 |
【漢方処方製剤】このカテゴリーでカンゾウを含むのは竜胆瀉肝湯だけ
製剤名 | 効能・効果 | 使用上の注意 |
牛車腎気丸 | 体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口喝があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善 | |
八味地黄丸 | 体力中等度以下で、疲れやすく、四肢が冷え尿量減少又は多尿で、ときに口喝があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者の目のかすみ目、痒み、排尿困難、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善、尿漏れ | 不向きな人:胃腸が弱い人、下痢しやすい人 |
六味丸 | 体力中等度以下で、疲れやすく、尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口喝があるものの排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、痒み、夜尿症、しびれ | 不向きな人:胃腸が弱く下痢しやすい人→胃部不快感、腰痛、下痢の副作用が現れやすい |
猪苓湯 | 体力に関わらず、排尿異常があり、ときに口が乾くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ | ・消化器への副作用、胃部不快感等 ・発疹、発赤、痛痒等過敏症が現れた時には使用を中止する |
竜胆瀉肝湯 カンゾウ含 | 体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿 | 不向きな人:胃腸が弱く下痢しやすい人→胃部不快感、下痢の副作用 |
■【まとめ:第3章「浣腸・駆虫・強心・高コレステロール改善・貧血・痔の薬」(4限目)】
第3章の「浣腸薬・駆虫薬・強心薬・高コレステロール改善薬・貧血用薬(鉄製剤)・その他の循環器用薬・痔の薬・その他の泌尿器用薬」をまとめました。
「浣腸薬・駆虫薬・強心薬・高コレステロール改善薬・貧血用薬(鉄製剤)・その他の循環器用薬・痔の薬・その他の泌尿器用薬」の学習ポイントと要点のまとめです。3章の4回目です。
まずは、どんどん読んでいきましょう。1回目で覚えられるわけはありません。繰り返し読み込んでいくのが大切です。
参考:厚生労働省「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」より