【登録販売者の勉強方法】主な医薬品とその作用【テキスト第3章5限目】
この記事では登録販売者試験の勉強方法について書いています。独学用です。3章の5回目です。登録販売者試験の第3章「主な医薬品とその作用」の覚え方、学習のポイントについて書いています。第3章のポイント・要約を教えて欲しい、そんな疑問にお答えします。
侑(Yuu)
この記事を読んでわかる事(記事の内容)
・内服アレルギー用薬
・鼻に用いる薬(鼻炎用点鼻薬)
・眼科用薬
この記事を読めば、誰でも登録販売者試験の第3章を簡単に理解し、合格点に到達する可能性を高めらられることを目的にしています。
この記事の信頼性
私は4ヶ月の登録販売者の勉強で2ブロックの試験に一発で合格しました。
受験したのは平成29年2017年です。受験ブロックは近畿エリアと東海エリアです。
▼近畿ブロックと東海ブロックの合格通知書です。
少しでも多くの人の、登録販売者試験合格の参考になれば幸いです。
できるだけ、簡潔に覚えやすいように短文で記事をかいています。
ではよろしくお願いします。
■【婦人薬】
・婦人薬は、女性に現れる特有な諸症状の緩和と、保健を主たる目的とする医薬品
・月経周期には、視床下部や下垂体で産生されるホルモンと、卵巣で産生されるホルモンが関与
・月経の約10~3日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、興奮、抑鬱などの精神症状を主体とするものを、月経前症候群という
女性ホルモン成分
成分 | 特徴 | 複作用・注意点 |
エチニルエストラジオール
エストラジオール |
・人工的に合成された女性ホルモンの一種 ・膣粘膜又は外陰部に適用されるものがあり、適用部位から吸収されて循環血液中に移行する |
・妊婦×(胎児の先天性異常) ・授乳× ・長期連用により血栓症 ・乳癌や脳卒中との関連も |
生薬成分(主なもの)
製薬名 | 作用 |
サフラン
コウブシ |
鎮静・鎮痛・女性の滞っている月経を促す |
センキュウ
トウキ ジオウ |
血行改善・冷え性の緩和・血色不良の緩和・強壮・鎮静・鎮痛 |
【漢方処方製剤】女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられるもの
製剤名 | 効能・効果 |
温経湯 カンゾウ含 | 体力中等以下で手足がほてり、唇が乾くものの月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、皮膚炎、足腰の冷え、しもやけ、手荒れ |
温清飲 | 体力中等度で皮膚がかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症。湿疹・皮膚炎 |
加味逍遙散 カンゾウ含 | 体力中等度以下でのぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘傾向のあるものの冷え性、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症 |
桂枝茯苓丸 カンゾウ含まない | 比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび |
五積散 カンゾウ、マオウ含 | 体力中等度又はやや虚弱で冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒 ※更年期障害、感冒の組み合わせなら五積散 |
四物湯 | 体力虚弱で、冷え性で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え性、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復 |
柴胡桂枝乾姜湯 | 体力中等以下で、冷え性、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときに寝汗、頭部の発汗、口の渇きがあるものの更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎 |
桃核承気湯 カンゾウ、ダイオウ含 | 体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲傷 |
当帰芍薬散 | 体力虚弱で、冷え性で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後のあるいは流産後による障害、めまい、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え性、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り、低血圧 |
■【内服アレルギー用薬】
・内服アレルギー用薬は、蕁麻疹(じんましん)や湿疹、かぶれおよびそれらに伴う皮膚のかゆみまたは鼻炎に用いる内服薬の総称
・アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって肥満細胞が刺激され、細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質であるヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離
・肥満細胞から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する特定のタンパク質(受容体)と反応することで、血管拡張(血管の容積が拡張する)、血管透過性亢進(血漿タンパク質が組織中に漏出する)等の作用を示す→アレルギー症状が出る
(a)坑ヒスタミン成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
クロルフェニラミンマレイン酸塩
カルビノキサミンマレイン酸塩 クレマスチンフマル酸塩 ジフェンヒドラミン塩酸塩 メキタジン アゼラスチン エメダスチン ケトチフェン ジフェニルピラリン塩酸塩 ジフェニルピラリンテオクル酸塩 トリプロリジン塩酸塩 |
肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える⇒鼻水などの症状を抑える | ・副作用:眠気・排尿困難・口喝・便秘(ヒスタミンを抑える作用以外に坑コリン作用も示すため、排尿困難・口喝・便秘が現れる)⇒乗り物又は機械類の運転×
・メキタジンは重篤な副作用としてシヨック、肝機能障害、血小板減少 ・ジフェンヒドラミンを含む成分は、授乳中×(乳児昏睡) |
(b)アドレナリン作動成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
プソイドエフェドリン塩酸塩 | 交感神経系を刺激し、鼻粘膜の血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる⇒鼻づまりなどの症状を抑える | ・中枢神経系に対する作用が強く副作用として不眠や神経過敏
・依存症あり ・心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺、機能障害、前立腺肥大による排尿困難の人→「してはいけないこと」 ・モノアミン酸化酵素阻害剤処方の人×(体内でのプソイドエフェドリンの代謝が妨げられて副作用) |
フェニレフリン塩酸塩 | ||
メチルエフェドリン塩酸塩 | 依存症あり |
(c)坑コリン成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
ベラドンナ総アルカロイド
ヨウ化イソプロパミド |
鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑え、副交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑える | 副作用として、散瞳による目のかすみや異常な眩しさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口喝、便秘、排尿困難⇒運転× |
生薬成分 |
シンイ |
サイシン |
ケイガイ |
漢方処方製剤 | |
主に皮膚 | 主に鼻炎 |
茵蔯蒿湯 ダイオウ含 | 葛根湯加川芎辛湯 カンゾウ、マオウ含 |
十味敗毒湯 カンゾウ含 | 荊芥連翹湯 カンゾウ含 |
消風散 カンゾウ含 | 辛夷清肺湯 |
当帰飲食子 カンゾウ含 |
・一般用医薬品のアレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)は、一時的な症状の緩和に用いられるものであり、長期の連用は避け、5~6日間使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要
・アレルギー症状が現れる前から予防的に一般用医薬品のアレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)を使用することは適当でない
■【鼻に用いる薬(鼻炎用点鼻薬)】
・急性鼻炎:鼻腔内に付着したウイルスや細菌が原因となって生じる鼻粘膜の炎症
・アレルギー性鼻炎:アレルゲンに対する過剰反応によって引き起こされる鼻粘膜の炎症(花粉症⇒花粉がアレルゲンとなって生じるもの)
・副鼻腔炎:鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもの(慢性⇒蓄膿症)
(a)アドレナリン作動成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
ナファゾリン塩酸塩
フェニレフリン塩酸塩 テトラヒドロゾリン塩酸塩 |
交感神経系を刺激し、鼻粘膜の血管を収縮させることによって、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる | ・過度に使用しないこと →鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き鼻づまりがひどくなりやすい・鼻粘膜からの吸収、全身的な影響 |
(b)坑ヒスタミン成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
クロルフェニラミンマレイン酸塩
ケトチフェン など |
ヒスタミンの働きを抑え、くしゃみや鼻汁等の症状の緩和 |
(c)坑アレルギー成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
クロモグリク酸ナトリウム | 肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示す | アレルギー性ではない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効 |
(d)局所麻酔成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
リドカイン | 鼻粘膜の過敏性、痛みや痒みを抑える |
(e)殺菌消毒成分
配合成分 | 作用 | 副作用・注意点 |
ベンザルコニウム塩化物
ベンゼトニウム塩化物 セチルピリジニウム塩化物 |
鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止する | ・陽性界面活性成分
・細菌、真菌に効果、結核菌、ウイルスに効果なし |
(f)坑炎症成分
・一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎およびそれに伴う副鼻腔炎であり、蓄膿症等の慢性のものは対象外
■【眼科用薬】
・大きく、人工涙液、一般点眼薬、抗菌性点眼薬、アレルギー用点眼薬、洗顔薬に分けられる
・点眼薬における一般的な注意事項
・一度に何度も点眼しても効果が増すわけではなく、副作用を起こしやすきなる
・点眼後は数秒間眼瞼を閉じて、薬液を結膜嚢内に行き渡らせる(目頭を押さえると効果的)
・他の人と共用することは避ける
・目薬1滴約50㎕、結膜嚢の積容積約30㎕
・コンタクトレンズをしたままでの点眼は、添付文書に使用可能と記載されていない限り行うべきでない→ソフトコンタクトレンズは水分を含みやすく、防腐剤(ベンザルコニウム塩化物等)などの配合成分がレンズに吸着されて角膜に障害を引き起こす原因となるおそれがあるため、装着したままの点眼は避けることとされている製品が多い
人工涙液:涙液成分を補うもので、コンタクトレンズ装着時の不快感等に
種類 | 配合成分・作用 | 副作用・注意点 |
無機塩類 | 塩化カリウム
塩化ナトリウム 硫酸マグネシウム ・涙液の主成分のナトリウムやカリウムなど電解質を補う |
一般点眼薬:目の疲れ・痒み・充血など
種類 | 配合成分・作用 | 副作用・注意点 |
眼の調節機能を改善する成分 | ネオスチグミンメチル硫酸塩 →コリンエストラーゼの働きを抑え、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助ける |
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アドレナリン作動成分 | ナファゾリン塩酸塩
テトラヒドロゾリン塩酸塩 ・結膜を通っている血管を収縮させて目の充血を除去する |
緑内障の人は相談 |
坑炎症成分 | リゾチーム塩酸塩
ゲリチルリチン酸ニカリウム ベルベリン硫酸塩 イプシロンーアミノカプロン酸 プラノプロフェン |
リゾチーム塩酸塩 まれにショック(アナフィラキシー) 鶏卵アレルギーの人× |
組織修復成分 | アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)
アラントイン→炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す |
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収斂成分 | 硫酸亜鉛 →眼粘膜のタンパク質と結合して被膜を形成し、外部の刺激から保護 |
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眼の乾きを改善する配合成分 | コンドロイチン硫酸ナトリウム
ヒドロキシプロピルメチルセルロース ポリビニルアルコール(部分鹸化物) 結膜や角膜の乾燥を防ぐ |
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ビタミンA | パルミチン酸レチノール 視力調整等の反応を改善 |
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ビタミンB2 | フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム
角膜の酸素消費能増加、組織呼吸亢進、角膜炎の改善 |
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パンテノール | 自律神経系の伝達物質の産生、眼の調節機能の回復 | |
ビタミンB6 | ピリドキシン塩酸塩
アミノ酸の代謝や神経伝達物質の合成に関与 |
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ビタミンB12 | シアノコバラミン
眼の調節機能を助ける |
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ビタミンE | トコフェロール酢酸エステル
末梢の微小循環を促進 |
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アミノ酸成分 | アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウムなど
新陳代謝を促し、眼の疲れを改善する |
アレルギー用点眼薬:目のアレルギー症状の緩和
種類 | 配合成分・作用 | 副作用・注意点 |
坑アレルギー成分 | クロモグリク酸ナトリウム
肥満細胞からヒスタミン遊離抑える |
アレルギー性でない結膜炎等に対しては無効 |
坑ヒスタミン成分 | ジフェンヒドラミン塩酸塩
クロルフェニラミンマレイン酸塩 ケトチフェン 眼の痒みを和らげる |
鼻炎用点鼻薬と併用した場合には、眠気が現れることがあるので、乗物又は機械類の運転操作を避ける |
抗菌性点眼薬:結膜炎、ものもらい、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善
種類 | 配合成分・作用 | 副作用・注意点 |
サルファ剤 | スルファメトキサゾール
スルファメトキサゾールナトリウム |
すべての抗菌に対して効果があるわけではなく、ウイルスや真菌の感染に効果はない |
洗眼薬:眼の洗浄、眼病予防
配合成分 | 作用 |
ホウ酸 | 洗眼薬として用時水に溶解し、結膜嚢の洗浄・消毒に用いられる |
・一般用医薬品の点眼薬では、緑内障の症状を改善できるものはない
■【まとめ:第3章「婦人薬・内服アレルギー用薬・鼻に用いる薬(鼻炎用点鼻薬)・眼科用薬」(5限目)】
勉強ポイントのまとめ
・婦人薬の漢方の名前と下線のキーワードを結びつけよう。可能な限りカンゾウ・マオウの有無まで覚えよう。
・鼻炎用点眼薬の坑アレルギー成分と坑ヒスタミン成分の違いを確認
・一般点眼薬で、「コリンエステラーゼ」と「アセチルコリン」を逆にしたひっかけパターン
どうでしょう?3章は聞きなれない言葉多いです、まずはどんどん読み進めましょう。覚えるのはあとからでOK。
参考:厚生労働省「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」より