【登録販売者の勉強方法】主な医薬品とその作用【テキスト第3章2限目】
この記事では登録販売者試験の勉強方法について書いています。独学用です。3章の2回目です。登録販売者試験の第3章「主な医薬品とその作用」の覚え方、学習のポイントについて書いています。第3章のポイント・要約を教えて欲しい、そんな疑問にお答えします。
侑(Yuu)
この記事を読んでわかる事(記事の内容)
・眠気を防ぐ薬
・鎮暈薬(乗り物酔い防止薬)
・小児鎮静薬
・鎮咳去痰薬
この記事を読めば、誰でも登録販売者試験の第3章を簡単に理解し、合格点に到達する可能性を高めらられることを目的にしています。
この記事の信頼性
私は4ヶ月の登録販売者の勉強で2ブロックの試験に一発で合格しました。
受験したのは平成29年2017年です。受験ブロックは近畿エリアと東海エリアです。
▼近畿ブロックと東海ブロックの合格通知書です。
少しでも多くの人の、登録販売者試験合格の参考になれば幸いです。
できるだけ、簡潔に覚えやすいように短文で記事をかいています。
ではよろしくお願いします。
■【眠気を促す薬】
・坑ヒスタミン成分を主薬とする睡眠鎮静薬の仕組み→坑ヒスタミン成分の代表的な副作用である「眠気」を効能効果にした医薬品
(a)坑ヒスタミン成分…脳内におけるヒスタミンの働きを抑え、眠気を促す
・生体内情報伝達物質であるヒスタミンは、脳の下部にある眠気・覚醒に関与する部位で神経細胞の刺激を介して、覚醒の維持や調節を行う働きを担っている
・脳内のヒスタミン刺激が低下すると眠気を促す
成分 | 特徴 | 副作用・注意点 |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | ・特に中枢作用が強い
・睡眠改善薬として、一時的な睡眠障害の緩和に用いられる |
<適用対象外の人> ・慢性的に不眠症状がある人 ・医療機関において不眠症の診断を受けている人 ・妊婦または妊娠していると思われる人 ・15歳未満の小児(睡眠とは反対の、神経過敏・中枢興奮)<その他の注意点> ・運転× ・目が覚めた後も、注意力の低下等に注意 ・授乳中の人×(乳児昏睡) |
(b)鎮静成分
成分 | 特徴 | 副作用・注意点 |
ブロモバレリル尿素
アリルイソプロピルアセチル尿素 |
・脳の興奮を抑え、痛みなどを感じる感覚を鈍くする作用 | ・眠気→運転× 反復して摂取すると依存を生じる |
・ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こす可能性がある→妊婦または妊娠していると思われる女性は使用を避ける
・生薬成分のみから成る鎮静薬であっても、複数の鎮静薬の併用や、長期連用は避ける→薬効や副作用が増強するおそれがあるため、服用時には飲酒を避ける
・生薬成分のみからなる鎮静薬、漢方処方製剤→飲酒を避けることとはなっていないが、アルコールが睡眠の質を低下させる
■【眠気を防ぐ薬】
・カフェインの働き
①脳に軽い興奮状態を引き起こして一時的に眠気や倦怠感を抑える | →副作用として振戦(震え)、めまい等 |
②腎臓におけるナトリウムイオン(同時に水分)の再吸収を抑制する | →尿量の増加(利尿) |
③胃液の分泌を亢進させる | →副作用として胃腸障害、胃酸過多、胃潰瘍の人× |
④心筋を興奮させる | →動悸 心臓病の人× |
・カフェインには、作用は弱いながら、反復摂取により依存を形成する性質がある
・カフェインは血液ー胎盤関門を通過して胎児に到着→胎児の発達に影響を及ぼす可能性
・カフェインの一部は乳汁中にも移行→胎児に頻脈・不眠など
・カフェインの上限量:1回200㎎、1日500㎎
・かぜ薬やアレルギー用薬などによる眠気を抑えるために、眠気防止薬を使用するのは不適切
・小児用の眠気防止薬はない。15歳未満×
■【鎮暈薬(乗り物酔い防止薬)】
・代表的な配分成分、坑めまい成分、坑ヒスタミン成分、坑コリン成分、鎮静成分、いずれも眠気を促す作用がある→坑コリン成分には散瞳による目のかすみや異常なまぶしさを引き起こす副作用もある→使用後、乗り物の運転操作不可
(a)坑めまい成分
成分 | 作用・特徴 | 副作用・注意点 |
ジフェニドール塩酸塩 | ・内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)を調節せる
・内耳への血流を改善する ・坑ヒスタミン成分と共通する薬理作用を示す |
・頭痛、排尿困難、眠気、散瞳による異常なまぶしさ、口喝
・使用前に医師等に相談:排尿困難、緑内障 |
(b)坑ヒスタミン成分
成分 | 作用・特徴 | 副作用・注意点 |
ジメンヒドリナート
クロルフェニラミンマレイン酸塩 ジフェンヒドラミンサリチル塩酸塩など |
・延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑制
・坑コリン作用を示すものが多い |
・プロメタジンテオクル酸塩は外国において乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作の報告がある→15歳未満の小児使用不可 |
メクリジン塩酸塩 | 他の坑ヒスタミン成分と比べて作用が遅れるのが遅く持続時間も長い |
(c)坑コリン成分
中枢に作用して自律神経系の混乱を軽減させるとともの、末梢では消化管の緊張を低下させる
成分 | 作用 |
スコポラミン臭化水素酸塩
ロートコンの軟エキス |
・消化管からよく吸収されて、脳内に移行しやすい(=速い)
・肝臓で速やかに代謝されるため、作用時間は短い |
(b)鎮静成分
不安や緊張を和らげる→「眠気を促す薬」参照
(e)中枢神経系を興奮させる成分(キサンチン系成分)
成分 | 作用・特徴 | 副作用・注意点 |
【カフェイン】 無水カフェイン 【キサンチン系】 ジプロフィリン |
・脳に軽い興奮を起こさせて、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させる
・乗り物酔いに伴う頭痛緩和 |
・カフェインを配合していても、坑ヒスタミン成分等の作用による眠気は解消されない |
(f)局所麻酔成分
成分 | 作用・特徴 | 副作用・注意点 |
アミノ安息香酸エチル | ・胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげる
・乗り物酔いに伴う吐き気を抑える |
・6歳未満には使用不可
(メトヘモグロビン血症のおそれ) |
・3歳未満では乗り物酔いが起こることはほとんどない。(自律神経系が未発達のため)⇒3歳未満の乳幼児向けの製品はない
■【小児鎮静薬】
・小児では、身体的な問題がなく、基本的な欲求が満たされていても、夜泣き、ひきつけ、疳の虫等の症状が現れることがある。⇒小児鎮静剤はそれらの症状を鎮めるほか、小児の虚弱体質、消化不良などの改善を目的とする医薬品で、体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1ヶ月位)継続して服用されることがある。
・古くから伝統的に用いられているものだが、購入者が「作用が穏やかで小さな子供に使っても副作用がない」などといった安易な考えで使用することがないよう、積極的に情報提供を行う必要がある
<小児鎮静薬の主な配合生薬とその作用>
生薬名 | 素材 | 備考 |
ゴオウ(牛黄) | ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石 | 緊張や興奮を鎮め、血液の循環を促す作用 |
ジャコウ | シカ科のジャコウジカの雄の麝香(ジャコウ)腺分泌物 | |
レイヨウカク | ウシ科のサイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)の角 | 緊張や興奮を鎮める作用 |
ジンコウ | ジンチョウゲ科のジンコウ、その他同属植物の材、特にその辺材の材質中に黒色の樹脂が沈着した部分を採取したもの | 鎮静、健胃、強壮などの作用 |
カンゾウ | マメ科のカンゾウまたはその同属植物の根及び根茎 | 生児の疳の薬では健胃作用を期待して用いられ、配合量は比較的少ない事が多く、他の医薬品等から摂取されるグリチルリチン酸も含め、その総量が継続して多くならないよう注意 |
【漢方処方製剤】
・用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても生後3ヶ月未満の乳児には使用しない。
製剤名 | 効能・効果 | 使用上の注意 |
柴胡加竜骨牡蛎湯
桂枝加竜骨牡蛎湯 抑肝散 抑肝散加陳皮半夏(カンゾウ含 |
小児の疳を適応症とする | 夜泣きに用いる場合、1週間くらい服用しても症状の改善が見れない場合にはいったん服用を中止し、専門家に相談 |
小建中湯(カンゾウ含) | 体力虚弱で疲労しやすく腹痛があり、血色がすぐれず、ときに動悸、手足のほてり、冷え、寝汗、鼻血、頻尿及び多尿などを伴うものの小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜泣き | 乳幼児に使用される場合は体格の個人差から体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがある |
■【鎮咳去痰薬】
(a)鎮咳成分
延髄の鎮咳中枢(中枢神経系)に作用して、咳を抑える
種類 | 配合成分 | 副作用・注意点 |
麻薬性鎮咳成分 | コデインリン酸塩
ジヒドロコデインリン酸塩 |
・モルヒネと同じ基本構造を持ち依存性がある成分
・妊婦× ・授乳婦× ・胃腸の運動を低下させ、便秘が現れる |
非麻薬性鎮咳成分 | ノスカピン
ノスカピン塩酸塩 デキストロメトルファン臭化水素酸塩 チベビジンヒベンズ酸塩 クエン酸チベビジン ジメモルファンリン酸塩 クロベラスチン塩酸塩 クロベラスチンフェンジン酸塩 |
|
生薬成分 | ハンゲ |
(b)気管支拡張成分
種類 | 配合成分・作用 | 副作用・注意点 |
アドレナリン作動成分 | メチルエフェドリン塩酸塩
メチルエフェドリンサッカリン塩 トリメトキノール塩酸塩 メトキシフェナミン塩酸塩 ・交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮める |
・気管支に対する作用のほかにも、交感神経系への刺激作用で影響あり 【心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害】の人は医師・薬剤師に相談(症状を悪化させるおそれがある)・エフェドリン・マオウのみの注意点【依存症あり、乳汁への移行】 |
生薬成分 | マオウ(マオウ科のマオウ、チュウマオウ、又はエフェドラ・エクイセチナの地上茎)
アドレナリン作動成分と同様の作用 気管支拡張の他、発汗促進・利尿 |
|
キサンチン系 | ジプロフィリン 等
自律神経系を介さずに、気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる |
・中枢神経系を興奮させる作用を示し、甲状腺機能障害、てんかんの人は症状悪化のおそれ |
(c)去痰成分
痰の切れを良くする
作用 | 配合成分 |
気道粘膜からの分泌を促進する | グアイフェネシス
グアヤコールスルホン酸カリウム グレゾールスルホン酸カリウム |
痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘り気を減少させる | エチルシステイン塩酸塩
メチルシステイン塩酸塩 カルボシステイン |
粘液成分の含有量を調整し痰の切れを良くする | カルボシステイン |
分泌促進作用・溶解低分子化作用・線毛運動促進作用 | ブロムヘキシン塩酸塩 |
(d)坑炎症成分
作用 | 配合成分 |
気道の炎症を和らげる | リゾチーム塩酸塩
トラネキサム酸 グリチルリチン酸ニカリウム 【生薬成分】 |
※カンゾウについて
・グリチルリチン酸を含む生薬成分。抗炎症作用のほか、気道粘膜からの分泌を促す等の作用もある
・大量摂取すると偽アルドステロン症を起こすおそれ(ナトリウムと水が溜まり、カリウムが失われる)→むくみのある人や高齢者で生じるリスクが高い
・甘草湯:構成成分がカンゾウのみの漢方処方製剤→注意点:短期間の服用、かつ連用しない
(e)坑ヒスタミン成分
作用 | 配合成分 |
アレルギーに起因する咳や喘息、気道の炎症に対し、鎮咳成分、気管支拡張成分、坑炎症成分の働きを助ける | クロルフェニラミンマレイン酸塩
クレマスチンフマル酸塩 |
(f)殺菌消毒成分→「口腔咽喉薬」参照
(g)生薬成分
生薬名 | 素材 | 備考 |
キョウニン(杏仁) | バラ科のホンアンズ、アンズ等の種子 | 体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢を鎮静 |
ナンテンジツ(南天実) | メギ科のシロミナンテン(シロナンテン)又はナンテンの果実 | 知覚神経、末梢運動神経に作用して咳止めに効果 |
ゴミシ | マツブサ科のチョウセンゴミシの果実 | 鎮咳作用 |
シャゼンソウ | オオバコ科のオオバコの花期の全草 | 去痰作用 |
オウヒ | バラ科のヤマザクラ又はその他近緑植物の通例、周皮を除いた樹皮 | 去痰作用 |
キキョウ(桔梗) | キキョウ科のキキョウの根 | 痰または痰を伴う咳 |
セネガ | ヒメハギ科のセネガ又はヒロハセネガの根 | 去痰作用、糖尿病の検査値に影響 |
オンジ | ヒメハギ科のイトヒメハギの根 | |
セキサン | ヒガンバナ科のヒガンバナの鱗茎 | 去痰作用 |
バクモンドウ | ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部 | 鎮咳、去痰、滋養強壮等の作用 |
【漢方処方製剤】咳や痰を出しやすくする目的で用いられるもの
製剤名 | 効能・効果 | 使用上の注意 |
半夏厚朴湯 | 「かぜ薬参照」 | |
柴朴湯(サイボクトウ) カンゾウ含 |
体力中程度で、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、かぜをひきやすく、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴うものの小児喘息、気管支喘息、咳、不安神経症、これらの症状における虚弱体質改善 | むくみの症状のある人には不向き |
麦門冬湯 | 「かぜ薬参照」 | |
五虎湯(ゴコトウ) マオウ、カンゾウ含 |
体力中程度以上で咳が強く出るものの咳、気管支喘息、気管支炎、小児喘息、感冒、痔の痛み | いずれも胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人等には不向き |
麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)マオウ、カンゾウ含 | 体力中程度あるいはそれ以上で、咳が出て、ときにのどが渇くものの咳、小児喘息、気管支喘息、気管支炎、感冒、痔の痛み |
■【まとめ:第3章「眠気を促す薬・眠気を防ぐ薬・鎮暈薬(乗り物酔い防止薬)・小児鎮静薬・鎮咳去痰薬」(2限目)】
第3章の「眠気を促す薬・眠気を防ぐ薬・鎮暈薬(乗り物酔い防止薬)・小児鎮静薬・鎮咳去痰薬」をまとめました。
「眠気を促す薬・眠気を防ぐ薬・鎮暈薬(乗り物酔い防止薬)・小児鎮静薬・鎮咳去痰薬」の学習ポイントと要点のまとめです。3章の2回目です。
聞きなれない薬品目がたくさん出てきました。効果も薬によって覚えるのは大変せす。まずはどんどん読み進めましょう。2回目、3回目読み込んでいくと理解がだんだん深まっていきます。
参考:厚生労働省「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」より