【登録販売者の勉強方法】人体の働きと医薬品【テキスト第2章3限目】
この記事では登録販売者試験の勉強方法について書いています。独学用です。2章の3回目です。登録販売者試験の第2章「人体の働きと医薬品」の覚え方、学習のポイントについて書いています。第2章のポイント・要約を教えて欲しい、そんな疑問にお答えします。
侑(Yuu)
この記事を読んでわかる事(記事の内容)
・感覚器官(眼球、眼瞼、結膜、尿器、眼筋、鼻腔、副鼻腔、外耳、中耳、内耳)
・運動器官(皮膚の構造、骨格筋、骨、筋組織)
・脳や神経系の働き(中枢神経系、末梢神経系)
この記事を読めば、誰でも登録販売者試験の第5章を簡単に理解し、合格点に到達する可能性を高められることを目的にしています。
この記事の信頼性
私は4ヶ月の登録販売者の勉強で2ブロックの試験に一発で合格しました。
受験したのは平成29年2017年です。受験ブロックは近畿エリアと東海エリアです。
▼近畿ブロックと東海ブロックの合格通知書です。
少しでも多くの人の、登録販売者試験合格の参考になれば幸いです。
できるだけ、簡潔に覚えやすいように短文で記事をかいています。
ではよろしくお願いします。
■【泌尿器系】
(a)腎臓
<腎臓>
・横隔膜の下、背骨の左右両側に位置する一対の空豆状の臓器
・内部中央のくびれた部分に尿管、動脈、静脈、リンパ管等がつながっている
●糸球体+ボウマン嚢=賢小体
●賢小隊+尿細管=ネフロン=(腎臓の基本的な機能単位)
※尿細管はボウマン嚢から伸びた1本の管
・賢小体:肝臓でアミノ酸から作られた尿素など、血液中の老廃物が濾過され、原尿として尿細管へ入る→血球やタンパク質以外の血漿成分も、賢小体で濾過される
・尿細管:原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される
・腎臓には、心臓から拍出される血液の1/5から1/4が流れている
<腎臓の働き>
①血液中の老廃物の除去
②水分及び電解質(特にナトリウム)の排出調整
③血液の量と組成を維持して血圧を一定範囲内に保つ上で重要な役割
④内分泌腺としての機能→骨髄における赤血球の産生を促進させるホルモンを分泌
⑤食品から摂取あるいは体内で生合成されたビタミンDを活性型ビタミンDに転換し、骨の形成や維持の作用を発揮する
<副腎>
・左右の肝臓の上部にある
・副腎皮質…副腎皮質ホルモンが産生・分泌される。副腎皮質ホルモンはステロイドと共通する化学構造を持つことから、ステロイドホルモンとも呼ばれる
・アルドステロン…副腎皮質ホルモンの1つ。体内に塩分と水を貯め、カリウムの排出を促す作用→電解質と水分の排出調整の役割を担っている
・アルデストロンの分泌が過剰になると、高血圧、むくみ(浮腫)カリウムの喪失などを生じる→アルドステロン症
・副腎髄質…自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される
副腎(2層構造)
副腎皮質 | 副腎皮質ホルモン |
副腎髄質 | アドレナリン、ノンアドレナリン |
(b)尿路(膀胱、尿道)
・尿は血液が濾過されて作られる→健康な状態であれば膀胱内の尿は細菌等の微生物は存在しない(糞便と異なる)
・膀胱…尿を一時的に溜める袋状の器官。膀胱の出口にある膀胱統括筋が緩むと、同時に排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される
・尿道…女性は尿道が短い→細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすくなる。高齢者は膀胱や尿道の統括筋の働きによって排尿を制御する機能が低下。
→膀胱容量も小さくなる
→尿失禁を起こしやすくなる
・男性には膀胱の真下にある尿道を取り囲むように前立腺がある→加齢とともに前立腺が肥大→尿道を圧迫して排尿困難等を生じることがある
■【目、鼻、耳などの感覚器官】
<目>
・毛様体:遠近の視点調節
・水晶体:カメラで言うレンズの役割
・角膜:黒目しかし透明
・虹彩:光の量を調節、カメラで言う「絞り」の役割
・強膜:白目
・網膜:カメラで言う「フィルム」の役割
(a)眼球 ・黒目…角膜(透明) ・その他の部分…強膜(乳白色の比較的丈夫な結合組織) ・房水…角膜と水晶体の間に満たされている組織液→角膜に一定の圧(眼圧)を生じさせている ・虹彩…水晶体の前にあり、眼球内の光の量を調節 ・硝子体…水晶体から網膜までの眼球内に満たされている透明のゼリー状組織 ・毛様体…収縮弛緩により水晶体の厚みを変化させ、遠近の焦点調節を行っている ・水晶体…近くのものを見る→丸く厚みを増す。遠くのものを見る→扁平になる ・網膜…光を受容する細胞(視細胞)が密集している。わずかな光でも敏感に反応する細胞→ビタミンAが不可欠。不足すると夜間視力の低下(夜盲症)
※透明な角膜や水晶体には血管が通っておらず、房水によって栄養分や酸素が供給される
(b)眼瞼、結膜、尿器、眼筋
・眼瞼(まぶた):眼球の全面を覆う薄い皮膚のひだ
・眼瞼は、素早くまばたき運動が出来るよう皮下組織がなく薄く出来ている→内出血や裂傷を生じやすい
・結膜…眼瞼の裏側と眼球前方の強膜とを結ぶように覆って組織を保護している
・充血…
結膜充血…白目+眼瞼の裏側が赤くなる。
強膜充血…眼瞼の裏側は赤くならず白目の部分がピンク味を帯びる
・涙腺…血漿から涙液を産生
①ゴミなどを洗い流す ②角膜に酸素・栄養分を供給する ③角膜・結膜の老廃物を洗い流す ④角膜表面を滑らかに保つ ⑤角膜・結膜を感染から防御する(リゾチーム・免疫グロブリン含む)
・眼筋…眼球を上下左右斜めの各方向に向けるため、6本の眼筋が眼球側面の強膜につながっている。
・眼精疲労…メガネやコンタクトレンズが合っていなかったり、神経症の疲労(ストレス)、睡眠不足、栄養不良等が要因となって、慢性的な目の疲れに肩こり、頭痛等の全身症状を伴う状態
<鼻>
(a)鼻腔
・薄い板状の軟骨と骨で出来た鼻中隔によって左右に仕切られている
・鼻中隔の前部は毛細血管が豊富に分布していることに加えて粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやい
・鼻腔の粘膜に炎症を起こして腫れた状態を鼻炎という
(b)副鼻腔
・鼻の周囲の骨内に、骨の強さ形を保ちつつ重量を軽くするための空洞があり、総称して副鼻腔という
・副鼻腔も鼻腔と同様、線毛を有し、粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われている
・鼻腔と連絡する管は非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがある
<耳>
・聴覚情報と平均感覚を感知する器官で、側頭部の左右両側に1対あり、音の立体感を認識することができる
外耳 | 耳介、外耳道 |
中耳 | 鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管 |
内耳 | 蝸牛、前庭 |
注意!耳は語句の入れ替え問題が頻出!
(a)外耳
・側頭部から突出した耳介と耳介から集められた音を鼓膜まで伝導する外耳道からなる
・外耳は軟骨組織が皮膚で覆われたもので、外耳道の連結部に連なっている
(b)中耳
・外耳と内耳をつなぐ部分で鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管からなる
・外耳道を伝わってきた音は、鼓膜を振動させ、鼓室の内部では、互いに連結した微細な3つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅して、内耳へ伝える
・小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近く、鼻腔からウイルスや細菌の感染が起こりやすい
(c)内耳
内耳
蝸牛…聴覚器官
前庭…平均器官
→耳石器官…水平・垂直方向の加速度を感知する部分、半規管…体の回転や傾きを感知する部分
・蝸牛
渦巻き形をした器官で、内部はリンパ液で満たされ、中耳の耳小骨から伝わる鼓動がリンパ液を震わせ、その振動が聴細胞の小突起(感覚毛)を揺らして、聴神経が刺激される
・前庭
内部はリンパ液で満たされており、リンパ液の動きが平衡感覚として感知される
■【皮膚、骨・関節・筋肉などの運動器官】
<皮膚の機能>
・皮膚には、身体の維持と保護、体水分の保持、熱交換、外界情報の感知などの機能がある
・ヒトの皮膚の表面には常に一定の微生物が付着しており、それら微生物の存在によって、皮膚の表面での病原菌の増殖が抑えられ、また病原菌の体内への侵入が妨げられている
<皮膚の構造>
・皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる
●角質層
・最も外側にある層
・皮膚のバリア機能を担っている
・角質細胞と細胞間脂質で構成される
※角質細胞…細胞膜が丈夫な繊維性タンパク質(ケラチン)でできた板状の細胞
※細胞間皮質…セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする
・皮膚に物理的な刺激が繰り返されると角質層が肥厚して「たこ」や「うおのめ」が出来る
・生きた表皮細胞の層
②真皮
・線維芽細胞と、その細胞で産生された線維性のタンパク質(コラーゲン、フィブリン、エラスチン等)からなる結合組織の層
・皮膚の弾力と強さを与えている
・毛細血管や知覚神経の末端が通っている
③皮下組織
・真皮の下にある
・脂肪細胞が多く集まって皮下脂肪層となっている。
※皮下脂肪層…外気の熱や寒さから体を守るとともに、衝撃から体を保護する。脂質としてエネルギー源を蓄える
・皮膚の色は、表皮や真皮に沈着したメラミン色素によるもの
※メラニン色素は、表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生
・メラニン色素の防御能力を超える紫外線に曝されると、皮膚組織が損傷を受け、炎症を生じて発熱や水疱、痛み等の症状が起こる
・汗腺は2種類
①アポクリン腺(体臭腺) | 腋窩(わきのした)などの毛根部に分布する |
②エクリン腺 | 手のひらなど毛根のないところも含め全身に分布 |
※汗はエクリン腺から分泌される
<骨格筋、骨>
・骨の基本構造(4種類)
①骨質(主部)②骨膜(骨質表面を覆う膜)③骨髄(骨質内部)④関節軟骨(骨の接合部)
・骨の主な機能
①身体各部の支持機能 | 頭部や内臓を支える身体の支柱となる |
②臓器保護機能 | 骨格内に臓器を収め、保護する |
③運動機能 | 骨格筋の収縮を効果的に体躯の運動に転換する |
④造血機能 | 骨髄で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が分化することにより、体内に供給する※全ての骨の骨髄で造血が行われるわけでなく、主として胸筋、肋骨、脊髄、骨盤、大腿骨などが造血機能を担う |
⑤貯蔵機能 | カルシウムやリン等の無機質を蓄える |
・骨は生きた組織
→成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修理(骨形成)が行われている
・骨組織を構成する無機質は、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の石灰質からなる
→無機質…骨に硬さを与える、有機質(タンパク質・多糖体)…骨の強靭さを保つ
<筋組織>
・筋組織は、筋細胞(筋線維)とそれらをつなぐ結合組織から成る→機能や形態によって、骨組織、平滑筋、心筋に分類される
筋肉
横縞模様 | 力 | 持久力 | 随意筋/不随意筋 | 神経系 | |
骨格筋(腕など) | ある (横紋筋) |
強い | 弱い | 随意筋 | 体性神経系 |
平滑筋(内臓など) | ない | 弱い | 強い | 不随意筋 | 自律神経系 |
心筋(心臓) | ある (横紋筋) |
強い | 強い | 不随意筋 | 自律神経系 |
随意筋:体性神経系(運動神経)で支配、不随意筋:自律神経系で支配
■【脳や神経系の働き】
<中枢神経系>
・中枢神経は、脳と脊髄から構成されている
血液の循環量…心拍出量の約15%
酸素の消費量…全身の約20%
ブドウ糖の消費量…全身の25%
・脳の下部には、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)がある
・脳の血菅は末梢に比べて物質の透過に関する選択制が高い
→大きな分子、小さい分子に限らず、イオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくくなる。
脳の毛細血管が中枢神経系の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能を血液脳関門という
・小児は血液脳関門が未発達
→循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすくなる
・脳と脊髄は延髄でつながっている
・延髄
→心臓中枢(心拍数を調節)、呼吸中枢(呼吸を調節)等がある
・脊髄
→脳と末梢の間で刺激を与える。末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合がある(脊髄反射)
<末梢神経系>
・末梢神経系は、体性神経系と自律神経系に分類される
・自律神経系
交感神経系:体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働く
副交感神経系:体が食事や休憩等の安息状態となるように働く
効果器 | 交感神経系 | 副交感神経系 |
目 | 瞳孔拡散 | 瞳孔収縮 |
唾液腺 | 少量の粘性の高い唾液を分泌 | 唾液分泌亢進 |
心臓 | 心拍数増加 | 心拍数減少 |
末梢器官 | 収縮(→血圧上昇) | 拡張(→血圧降下) |
気管、気管支 | 拡張 | 収縮 |
胃 | 血菅のい収縮 | 胃液分泌亢進 |
腸 | 運動低下 | 運動亢進 |
肝臓 | グリコーゲンの分解(ブドウ糖の放出) | グリコーゲンの合成 |
皮膚 | 立毛筋収縮 | ー |
汗腺 | 発汗亢進 | ー |
膀胱 | 排尿筋の弛緩(排尿抑制) | 排尿筋の収縮(排尿推進) |
副交感神経系の神経伝達物質…アセチルコリン
※汗腺を支配する交感神経線維の末端では、例外的にアセチルコリンが伝達物質として放出
②アドレナリンの動きを抑える作用(坑アドレナリン作用)を有する成分⇒坑アドレナリン成分、アセチルコリンの働きを抑える作用(坑コリン作用)を有する成分⇒坑コリン成分
■【まとめ:第2章「泌尿器系、感覚器官、運動器官、脳や神経」(3限目)】
第2章の「泌尿器系」、「目、鼻、耳などの感覚器官」、「皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官」、「脳や神経系の働き」の学習ポイントと要点をまとめました。2章の3回目です。2章はあと2回予定です。2章は5回です。
よく似た言葉がたくさん出てきます。流し読み勉強ではなく確実に確認して覚えるのが近道です。
自分で図を書いて覚える方法も効果があります。自分の体をイメージして覚るのも手ですね。
参考:厚生労働省「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)」より